日江井榮二郎会員が、7月3日(金)午後に長崎県対馬市立厳原小学校で、「母なる太陽」というタイトルで、4、5、6年生の児童に講義授業を行いました。
講義を行った多目的室教室は、暗幕カーテンを使って暗くなるし、大型のモニターを使い、PCからの画像と音を出力できる装置もあり、使い心地がよいものでした。途中に10分の休憩を入れて、ゆったりとした時間が取れました。
里乃塚玲央作詩・山本純ノ介作曲の小学校唱歌「二億年ずつ23回」を聞くことから始めました。歌詞の「この星は生きている 宇宙ごと生きている 私たちは生きている この星は生きている」に、児童たちは耳を傾けていました。
その後、レンズを使って太陽光を集光すると、焦点位置においた黒紙が焦げることを示し、その太陽光エネルギーの目安である太陽定数を説明しました。太陽光に垂直に置かれた1畳の広さに1時間、太陽光を受けると、その太陽光エネルギー量は、ほぼ我々の1日に摂取するカロリー量に相当することを説明し、植物は太陽光を利用した光合成によってでんぷんを作り、生育し、その植物を動物は摂取しているので、植物も動物も生き続けることができるのは、太陽光のお蔭であると説明しました。
さらに太陽の構造を説明し、太陽は宇宙に浮かぶ核融合反応炉であると言うことができ、太陽だけではなく、恒星の輝きは核融合反応によるものであり、原料である水素が少なくなることにより、恒星の寿命が決められることを説明しました。
太陽黒点数の変動から、11年周期の太陽活動、さらに樹木の年輪に残されている炭素14の測定による過去7000年にわたる太陽活動が調べられていて、数百年に1度、大変動が起こっていることがわかっていることを話しました。最近では、1650年から約50年間、ほぼ無黒点期間があって、地球規模での寒冷期間であったこと、将来も起こりうるが、現在ではまだその予想がつけられないこと、太陽活動の動画を見せ、地球に押し寄せる太陽風は、地球磁気圏が侵入を防いでいるし、地球大気はX線や紫外線が地上へ到達するのを護ってくれていることを説明しました。
スーパーコンピューターで得られた「地球からだんだん遠ざかる」動画を見せ、宇宙空間の広さを感じさせ、また「地球・月の誕生」の動画をみせました。ガモフの絵を見せて、その感想を次々と述べてもらい、各自が個性を見せてくれたことに、意を強くしました。