来る5月21日にSSISSの総会が開かれますが、総会の後に下記の要領で公開の「演示実験とお話の会」が開かれます。
日時:平成28年5月21日(土)午後3時から4時
場所:池袋立教中学校・高等学校 4階地学実験室
講師:霜田光一(東京大学名誉教授)
タイトル:
「連成振動の実験-量子光学、自発的対称性の破れー」
振り子の振動が、量子光学さらには自発的対称性の破れと、どうつながるのか、とても興味深いですね。アブストラクトは、こう始まります。
1.連成振動と固有振動
長さの等しい2つの振り子を結合した連成振り子の固有振動は、連成振動とは異なる。
連成振動では、一方の振り子の振動が大きくなったり小さくなったり、他方の振り子の振動が小さくなったり大きくなったりする。
固有振動の振幅はA(x,y,x,t)=ψ(x,y,z)・exp(iωt)と表され、空間分布は不変で、固有関数はψ(x,y,z)、時間的には角周波数ωで振動する。
固有エネルギーはE=hω/2πで、固有関数には対称モードと反対称モードがある(以下略)。全文はここShimodaResumeからダウンロードできます。
霜田光一会員のことを簡単に紹介します。霜田光一会員は1920年に埼玉県で生まれ、東京帝国大学理学部卒業、1948年東京大学理学部助教授、1959年同教授、この間、理化学研究所マイクロ波物理学主任研究員兼任され、1981年同大学を定年で退職された後は、慶応義塾大学などを歴任されています。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/awards/2009/01.htmlより
霜田光一氏の研究は戦時中のマイクロ波レーダーに始まり、それが戦後にマイクロ波分光につながり、この分野での研究をリードしてきました。また、レーザー分光とレーザー周波数標準を研究し、国際単位メートルの再定義に貢献しました。これらの功績により、日本学士院賞(昭和55年)を受賞し、文化功労者(平成20年)に選ばれています。
なぜ物理に興味を持ったか、研究の歩みなどについては、以下のWebPageの対談で述べられています。
応用物理創刊75周年記念特集記事
https://www.jsap.or.jp/apsp/oralhistory/QOBU070804.pdf
また、物理学教育にも関心が高く、日本物理教育学会の会長を長く務められました。今でも新しいアイデアで次々に実験方法を開発しています。今回もその一つを演示していただけるものと思います。
物理の教育については、以下のページで述べられています。
「これからの時代は光学やエレクトロニクス中心の物理教育であるべきではないでしょうか。」Opulse掲載より
https://www.adcom-media.co.jp/remark/2011/02/07/2044/
どうぞご来場ください。