沖縄市立見里小学校での活動

日江井榮二郎会員が、1月20日に沖縄市立見里小学校において、小中学校教員に対して「見える宇宙・見えぬ世界」と題して、サイエンスカフェ方式の対話と講演を行いました。

1)本物の研究者に触れ、科学の面白さを実感する
2)天文に対する思いや感激を話す
3)対話形式
4)今年度の日食の映像
などの話題をコーヒーを飲みながら進めてほしいという要望があったので、それに沿うように努めました。また、あらかじめ2016年版の理科年表、国立天文台・すばる望遠鏡・アルマ電波望遠鏡のパンフレットを現地に送付しておきました。

1958年にスワロフ島で観測された日食を観察しに出かけて、日食病(そんな病名があるとして)になったことを告白しました。それからは、世界各地で日食があれば出かけています。

日食時に観測されるコロナの話をしていたら、なぜ光球より外側にあるコロナが100万度という高温かという質問が出ました。理科年表に記述されている太陽内部~コロナの物理量の表を見ながら、太陽の構造について話し、コロナが高温である観測事実、高温になるべき条件、理論的な研究を述べました。しかし、肝心な点は未解決だと話しました。

これがきっかけとなり、恒星の誕生・成長・死を示す画像を見せ、現在考えられている輪廻(星の一生)のお話をしました。さらに宇宙膨張の事実から、この世界で見えているものは僅かに4%で、見えていない残りの96%が宇宙の構造・活動を支配しているのだと述べました。

生徒たちには教室で、「君たちは星の子」の話をしてほしいと言い、その説明のためのパワーポイントを渡してきました。また理科年表の使い方も簡単に説明しました。

大田区立大森東小学校での活動

有山正孝会員が、1月13日に大田区立大森東小学校の6年生の児童に、「電気と私たちの生活」に関連した実験授業を行いました。

この実験授業は、大田区のおもしろ理科教室の一環としての授業であるため、昨年の12月6日に行った担任と打合せを受けて、教科書・学習指導要領からは逸脱した授業を行いました。

電気の利用と称しているのは、実際は電流を利用しているのであり、それは何故か、どのようにして行われているのか、に重点を置いた授業になりました。ただし、ジュール熱とコンデンサーはこの項目において初めて学習する事項です。

次の順序で、演示実験と児童による実験を入れて、お話を展開しました。

①はじめに:小学校で学習する電磁気関連の項目を振り返る。
②電気って何だ:日常生活の中での電気についての認識の確認(静電気・火花放電の演示を含む)。
③電気の歴史:電磁気学研究小史を通して、静電気と電流の関係を理解する。
④電流の基本的性質:発熱と磁気作用、金属は高温で光を放射すること(演示実験、児童実験)。
⑤磁石は電流が流れている導線を動かす:モーターの原理(演示実験)。
⑥電気を作りだすには:電磁誘導と発電機(演示実験)。
⑦電気は貯めておけるのか:手回し発電機によりコンデンサーの充電・放電を確かめる(児童実験)。
⑧電氣の正体:電子について簡単に解説、電流は電子の流れであること。

6年生にとっては少し難しけれど、とても興味深い内容になりました。おもしろ理科教室にぴったりでした。