和田勝会員が、1月30日の午後、八王子市立高尾山学園で、「細胞のお話」というテーマで実験授業を行いました。参加した児童・生徒は2名、教員が3名でした。
まず最初に、月探査船かぐやから撮影した、月平線の向こうを漆黒の宇宙空間をバックに青い地球が登ってくるJAXAとNHKが制作した動画を見せました。
続いてルイアームストロングが歌う「What a wonderful World」の動画を見せました。歌詞が英語なので、拙訳を印刷して渡しました。What a Wonderful World和訳2
https://youtu.be/HPcgM1MnDnI
この2つの動画を見ると、この広い宇宙空間に、生命体が存在するのは、太陽系第三惑星地球だけであることが強く印象付けられます。後者の動画では、多様な生物が地球上に生息している姿が生き生きと映し出されます。
その生き物ですが、大きなものは20mを越えるシロナガスクジラから小さなものは0.2mmのゾウリムシと、じつにバラエティーに富んでいます。
Wikipediaより
上の図では、ゾウリムシはヒトの足先の点にも満たない大きさです。大きな生物なら肉眼で見ることができますが、小さなゾウリムシは拡大する装置が必要です。それで、顕微鏡の登場です。
生徒は備え付けの顕微鏡を準備して、持参したゾウリムシをシャーレに配ります。ホールスライドグラスを使い、自由に観察してスケッチしてもらいました。
ゾウリムシといっても平たいわけではない。どんな形をしているのか、どのようにして泳ぐのかをじっくりと観察してもらいました。楽しんで観察していましたが、先生方の方が楽しんでいたかもしれません。回転しながら進む様子、何かにぶつかると反転して障害物を回避する動き、などとても興味深いものがあります。高倍率にして細胞の縁をよく見ると、繊毛がチラチラと動いているのが見えます。分裂をしようとしているゾウリムシを観察することができました。ラッキー。
下の動画は高校生物実験ですが参考に載せておきます(著作権は矢嶋正博さんにあります)。
これは単細胞生物、たった1個の細胞で何でもこなしてしまう。でも大きさは限られてしまいます。クジラの大きさの単細胞生物はいません。表面積と体積の比率が釣り合わなくなるからです。そのため、細胞1個の大きさはせいぜい0.02mmです。
でもって細胞は、細胞分裂によって数を増やし、役割分担をして体を構成するようになります。多細胞生物の誕生です。多細胞生物の例として、一番観察がしやすいタマネギの鱗茎葉の上皮細胞を薄く剥ぎ、酢酸カーミンで染色して観察してもらいました。
最後に、超音波によるヒトの発生の動画を見てもらいました。みんなは生まれる前、お母さんのお腹の中で、細胞の数を増やして大きくなって生まれてきたんだよ。すごいね!