奥田治之会員が、2月13日の午後、八王子市立高尾山学園で、「日時計の話」というテーマで実験授業を行いました。参加した児童・生徒は4名、教員が3名でした。
初めに、日時計の原理(下記参照)を簡単に説明し、大昔から、季節の移り変わりや時間の変化を知るために利用されてきたこと、また、古今東西の様々な日時計の写真を見せて紹介しました。
ロンドンKew Palace
http://www.canadaclockmuseum.ca より
スペイン・セビリア地方のMudejar門のもの 日大文理学部世田谷キャンパス内
http://www004.upp.so-net.ne.jp/s_honma/takaralarge28.htmより
そして、原理を理解すれば、だれでも、簡単に日時計が作れることを説明したのち、紙細工の日時計の型紙を渡して、生徒自ら作ってもらいました。
棒を立てれば影ができ、この影は太陽の動きに従って移動するので、そこから時刻を推定することができます。子供の頃、よくやりましたね。でもそれでは正確ではありません。上の写真にあるように、建てた棒(三角形ですが)の角度がキモです(ロンドンと世田谷の違)。キモは棒の傾きです。この角度はその地方の緯度になります。今回使った型紙には、これらの点を解決して、印刷してあります。
幸い、当日は天気が良かったので、出来上がった日時計を使ってちゃんと時刻が読み取れることを体験してもらいました。簡単な道具でありながら、かなり正確な時刻が読み取れることにみんな感心していました。
このような観察をしながら、日時計を正しく使うためには、軸を真北に向けることが大切なこと、(地球の自転軸と、地磁気の軸がずれているため、磁石の示す北は正確でなく、東京付近では6度西に振れていること)、また、日本の標準時は東経135度(明石)が基準になっているので、経度が異なるときには、その補正をしなければならないこと(たとえば東京は明石から東へ5度離れているので、日時計の時刻から20分を引きます)、また、季節によって遅れ進みのあることなどを説明しました。
全体的に、原理をどこまで理解してもらったかは、よくわかりませんでしたが、ものづくりには熱心に取り組み、楽しんでもらえたと思いました。先生方にも、興味を持って聞いていただけたと思います。
日時計は、地球の自転と公転、緯度と経度などを深く学ぶ絶好のトピックだと思います。
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