廣田穣、細矢治夫、町田武生、和田勝の各会員が、7月7日に市川学園市川高等学校で行われた、平成30年度SSH生徒課題研究中間発表会に参加し、指導助言を行いました。
市川学園市川高等学校は、スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)に選定されていて、「探究的な授業と課題研究を両輪とする指導方法を完成させ,国際的に活躍できる課題発見型研究者育成の基盤を構築する。」と謳っています。
これを実現するために、理系2年生全員およそ260名に、理科の課題研究を課しています。今回は、その中間発表会で、生徒が個人あるいはグループで仮説を立て実験を計画し、実施した実験について、ポスター発表(一部は講演)会があったのです。合計137件の発表があり、分野別の内訳は、数学4、物理42、地学3、化学36、生物43でした。
5月から始めたので、ほとんどがまだ計画段階、あるいは予備実験を行った段階のものでしたが、それぞれの課題ごとに模造紙一枚のポスターにまとめて張り出し、9時から11時まで、奇数番と偶数番が1時間ずつ、交代で発表がありました。会員は手分けをしてポスターの前に立ち、発表を聴き、気が付いたことなどをコメントしました。
課題研究のテーマは例年と少し異なり、比較的身近なものに目を向けたものが多かったと感じました。予備実験で数値化に至らないものも多数ありました。ただ、予備実験の段階であってもデータがあるのならば、「こう感じた」という表現ではなく、それをグラフなどで表して、「このような結果であった」とする方がいいと指摘しました。
終了後、担当教員3人と我々4人で、意見交換を行いました。教員側から第3期構想のロードマップが示され、それをもとに今後の展開について説明がありました。「過去から学ぶ」では科学史を重視した取り組み、「未来を考える」では国連の唱える「持続可能な開発目標(SDGs)」を考えた研究課題の探索、「現在を捉える」では、論理性とデータ処理の育成、のために、それぞれ他教科を巻き込んだ教育実践を行うという説明がありました。
「過去から学ぶ」では、「算額巡り」を行い、数学史、科学史につなげるなど、工夫がみられました。「現在を捉える」で統計理論、データ分析を教える前に、自然現象の観察とそこからどのようにデータをとるか、少し早めに取り組み、数値化について教える必要性があることを述べました。