和田勝会員が、10月5日に東京ガス四谷クラブで「石川太郎先生に習ったことなどーその後の遺伝にまつわる話、遺伝子DNAへ」というタイトルで講演をしました。
以下は講演者のつぶやきです。
石川太郎先生というのは高校の時の生物の先生で、3年生の時に生物学を習いました。高校に入ったときは、中学校の時に古本屋で買って読んだ、ガモフ全集の中の「1,2,3、、、無限大」や「不思議の国のトムキンス」が面白かったので、物理学をやりたいと漠然と思っていました。でも、2年生の時の物理についていけず、3年生で習った生物の方を面白いと思いました。今でも黒板に先生が描いたパネットの方形を使って、メンデルの法則の説明を受けたのを覚えています。
というわけで、このことを枕に、高校のミニ同期会で、上のような講演をしました。理系の人ばかりではないので、なるべく難しくないようにと考えて、ヨーロッパのロイヤルファミリーの血友病からロシア革命のときに命を落としてロマノフ王朝最後のニコライ2世一家の話、そこから血友病の遺伝と、伴性遺伝、さらに第8因子のタンパク質の欠陥の話などをしました。ちょっと盛沢山にしすぎて、がん化の遺伝的背景や老化と遺伝子の関係にも触れました。
後で感想を聞くと、チンプンカンプンだったとか、難しかったという意見が多くてショックでした。 後でメールでもらった感想の中に、「タンパク質は身体を構成する重要な物質程度しか理解していなかったので、アミノ酸の並び方によって違っていることは初めて知りました。 」というのがありました。
そこで思い至りました。こちらは当然のこととして、タンパク質というのは集合名詞で、その中に多種多様な種類の個々のタンパク質があり、それぞれはアミノ酸の配列が違い、それぞれに名前のついている、というように考えているけれど、すべての人が必ずしもそうではないのだということです。
それで思い出したことは、昔、大学1、2年生に生物学の講義をしていた時に、ステロイドホルモンとテストステロンを同列に考えて混乱したという感想を聞いたことでした。集合名詞と個々のものに名付けられた名詞という階層構造がぴんと来なかったようです。
これって、野菜という名詞とキャベツやキュウリという名詞の違いを分かっていれば、当然のことのように思えるけれど、必ずしもそのように普遍化できないようです。
これからは、上記のことを踏まえて、より分かりやすく科学知識、リテラシーの普及に努めなけらばと反省したのでした。