3月18日に、町田武生会員と和田勝会員が、千葉工業大学津田沼キャンパスでで行われた千葉県高等学校課題研究発表会に参加して、助言活動を行いました。
これは、千葉サイエンススクールネットとコンソーシアム千葉主催による千葉県SSH指定校と理数科を設置している高等学校12校の生徒による課題研究発表会で、指導・助言者として上記2名が参加しました。我々以外に、県内外の大学から多数の指導助言者が参加していました。入り口で渡された「令和4年度千葉県高等学校課題研究会ポスター集」は242ページもある立派な冊子でした。
午前中に口頭発で、物理10、化学13,生物13,地学6,数学8件の発表があり、指定された生物会場2での割り振られた生物4課題の発表に対して指導・助言を行いました。
午後はポスター発表があり、物理65,化学55、生物64、地学19、数学29、合計232件の発表がありました。生物64課題は前半と後半に分かれてポスター前での説明があり、我々は生物の2会場を回って、説明係の説明を聞き、コメントをしました。
生物64課題中、それぞれ指定された7課題についてはオンラインで講評を送信し、また、主だった発表にもコメントを送り、既にメールでいくつかのやりとりが行われ、支援の実が結んでいるようでした。 生物の発表しか見ていないのですが、いずれの発表も熱心に取り組んでいる様子がうかがえました。ただポスターに載せられたグラフの表示方法など、改善が必要だと思われるものもありました。
2月13日に、町田武生会員がNPO法人南相馬サイエンスラボ(齋藤実理事長)主催、みどりアートパーク(横浜市緑区)共催の、福島県地域支援事業としての「第6回地域教育を考える勉強会」において、ゲスト講師を招いて「幸せをつくる教育」について行われた講演と討論で、全体の取り纏め支援と総括を行いました。
南相馬サイエンスラボでは、齋藤実氏が児童生徒に科学的なものの見方、考え方を身に付けさせるように取り組んでいて、生徒が見つけた疑問や課題を解決して次の展開を図るときに、学校だけでなく地域が支援する仕組みの構築に努力しているので、これに関連した事業の紹介がなされました。
川崎市教育委員会佐藤映子指導主事は、川崎市の「寺子屋事業」の紹介と成果を紹介、地域の人々の力の大きさを述べました。
福島県只見町のNPO法人ただみコミュニティクラブの平山真恵美マネージャーは、幼少年を地域で育てる取り組みを紹介しました。
南相馬市教育委員会牛来学社会教育主事が、地域学校協働活動事業の立ち上げと推進を紹介しました。この事業の中で、養蜂の分野でさまざまな賞を得ているはちみつマイスターの米田望女史の指導で、児童をミツバチに馴染ませ、養蜂の体験を進めている例が示されました。
バングラデシュのFuture Design Schoolのモラ・M・マスド校長は、南相馬サイエンスラボの取組を参考にして母国にも同様の事業を立ち上げたい意向を述べました。
最後にピアノと歌の新屋賀子楽団による「いのちと地球」の演奏があり、生命のあり方を問う内容が披露されました。
児童生徒が自ら生きる姿勢を育むために地域の役割が重要であることを確認する会でした。齋藤実氏は児童生徒に平易にものごとを説明する能力に長け、小学生向けデモ実験や実演が見事で、この日も「血液って何だろう?」の実演がありました。町田会員から、SSISSのさまざまな取組を紹介しましたが、あらためてSSISSも地域教育へのコミットを考える必要があると認識させられました。学校では、教員の負担軽減のために部活動を廃止する方向のため、まずは部活動を地域人材に委ねる方策が有効と考えられると感じました。
小学校・中学校・高等学校の理科教育を支援する科学者の集まりです