江戸川区子ども未来館での活動

和田勝会員が、8月8日の午後に、江戸川区子ども未来館で毎年実施している「子どもアカデミー夏休みプログラム」の中の一コマとして、「生物は細胞でできている」というタイトルで実験授業を行いました。参加したのは小学校3年から6年の児童16名でした。子ども未来館の前川啓二さんと江戸川区役所にインターンシップで来ていた学生さん1名が手伝ってくれました(写真はすべて前川さん提供です)。

今年度は、先方の都合で受講者が小学3年生から6年生だったため、最初に顕微鏡の操作法の説明をかなり丁寧に行いました。持参したプレパラートを使って、ピント合わせ、倍率を上げるなどの操作に慣れてもらいました。 

ついで単細胞生物のゾウリムシの観察を行いました。最初は、シャーレに入れて黒地の背景において、肉眼で、次いで虫眼鏡見てもらいました。全長およそ0.2mmのゾウリムシが動く様子が見えます。

ゾウリムシは、どのような動きをしているかを観察するよう促しました。虫メガネではよく見えないので、顕微鏡の出番です。ホールスライドグラスにメチルセルローズ液を取り、そこにゾウリムシを含む水を一滴たらし、顕微鏡で観察してもらいました。くるくる回りながら進んでいくのがわかります。繊毛によって泳いでいることを説明しました。

ゾウリムシは単細胞生物であることを強調し、ハンドアウトの1ページ目に写真が載っているポニー(動物)やモンステラ(植物)は、多細胞生物であることを説明し、多細胞生物の植物の例として、タマネギ鱗茎葉の表皮細胞層の観察に移りました。カッターナイフとピンセットを使って、表皮細胞層を剥離して、2枚スライドに取り、一方を酢酸カーミンで染色しました。無染色のほうをまず観察し、次いで染色したほうを観察してもらいました。無染色のほうは、細長い細胞が敷石のように並んでいるだけですが、染色により1つ1つの細胞に1個の核があることがわかりました。

動物細胞の例として。自分の頬の内側の表皮細胞を綿棒でこすり取り、染色して観察しました。ほとんどの人がうまく観察することができました。

ここで植物細胞と動物細胞の違いを説明し、細胞分裂により数を増やし成長することを強調しました。書き忘れましたが、最初のほうで、ボリュームが大きくなる方法として、風船をふくらませる方法とロゴブロックを組み立てていく方法があることを演示し、生物は谷となるブロックの数を増やしていく方法をとっていることを説明しました。その数を増やす方法が、細胞分裂なのですよ。途中休みを入れずに2時間を少し越える実験授業でしたが、3年生を含めて児童はみな熱心に取り組んでいて、反応も良かったです。

子ども未来館は、最後に受講者に「子どもアカデミー発見カード」というのを配布して、記入してもらっています。そこには、「よくわかりましたか?」「わくわくしましたか?」という項目に、とっても!、まあまあ、ぜんぜん、に丸を付けるようになっています。回収されたカード13枚の内訳は、以下の通りでした。

よくわかりましたか?わくわくしましたか?
 とっても    8  とっても     12
 まあまあ    5 まあまあ     1
 ぜんぜん    0 ぜんぜん     0

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