船橋高等学校のSSH課題研究の実施にあたり、メンター指導をすることになり、9月10日午後4時から5時半まで、町田武生、和田勝会員が第2回目の対面での助言・指導を行いました。
生物分野の研究計画は5件で、前回(7月9日)に相談したときは「鳥の部位による羽根の撥水性の違い」「砂漠における高吸水性樹脂の利用と大豆の育ちの関係」「陸上高等植物由来のアレロケミカルを用いたアオコ原因藻類の防除」「室内アクアリウムに生息する淡水珪藻の同定と珪藻種ごとの脂質含有率の比較」「ショウジョウバエの番の一貫性」でしたが、今回、直前に送られてきたPDFファイルは、既にポスターの形となったもので、タイトルは微妙に変わっているものがありました。2番目は、「砂漠での高吸水性樹脂の使用方法による大豆の発芽への影響」、3番目は「植物由来のアレロケミカルによるアナベナへの増殖抑制効果ーアオコから生態系を守ろうー」、4番目は「室内アクアリウムに生息する藻類の脂質生産能力の比較実験」、5番目は「未交尾のショウジョウバエのペアが死んでしまうのはなぜか」でした。実験をさらに進めた結果、よりふさわしいタイトルに変更したものと思われます。
5件とも、9月28日に千葉大学高校生理科研究発表会で発表を行うということで、当日は2人が手分けをして、前回相談に乗った同じ生徒と対面でポスターの中身を見ながら、今後の研究の進め方、発表の仕方などについて指導、助言をおこないました。
この発表でのポスターの最終版を提出前にオンラインで見せてもらうこととしました。研究結果はさらにいくつかの発表会やコンテストでも発表するとのことで、10月に改めて指導助言を行う予定です。1回目と2回目の間に、もう少し相談のやり取りがあると思ったのですが、それがなくちょっと心残りでした。
8月31日の午前10時から1時間ほど、有山正孝、伊藤真人、奥田治之、進藤哲央、西原寛、町田武生、和田勝会員が、八王子PTA連合会の廣田貴子会長、荒木美奈、相川睦美、岩崎朋子さんと、Webで会議を行いました。
前半は、11月30日に行われる科学コンクールの発表会に関してで、後半は先日行われた生徒との相談会の反省会を行いました。
まだ、各中学校から作品を集めたところで、これから先生方が審査を行うということで、11月30日の大まかな概要についての相談でした。なるべく受賞者の発表の概要がわかる資料が事前に欲しいという要望をしました。また、昨年度、奨励賞の発表のポスターセッションのときに、各ポスターの前にイスが並べられ、そこに座って聴くという形をとったけれど、やはりポスターセッションでは、ポスターの前に立ち並んで演者とやり取りをする方がいいという意見が出ました。そのように考えるということでした。そのほか、副賞の話が出ました。
8月8日の相談会は、参加者が少なくて拍子抜けをしたという感想を率直に伝えまました。八王子市のすべての中学校に相談会のことを伝えているわけではなく、第3ブロックだけであったとのことでした。各中学校の理科の先生も巻き込んで、事前に、こんな風にやってもらいたいといった要望や質問、また、こんなことやってもらったら困る等も遠慮なくいってもらえればと話し、SSISSについて十分に理解していただいていないかもしれないけれど、理科に関して子供たちを支援していきたいという気持ちで活動しているので、それが先生方にうまく伝わるといいという話をしました。
中P連側からは、働き方改革もあり、理科の先生がなかなか時間が取れないことなどもあるので、科学コンクール当日の空いた時間に、受賞された生徒さんの学校の理科の先生に直接聞いてみたりするのがいいのではと思うので、そのようなことを検討してみたいということでした。
8月27日と28日に、佐々田博之会員が埼玉県川口市立安行小学校で、6年の4クラスに対して実験授業を行いました。受講した児童数は35名から40名で、1クラスあたり2校時(2 x 45分)を使いました。東京都市大学非常勤講師である西川浩之さんと手束文子さんに手伝ってもらいました。
授業のテーマは「光の進み方」です。光が直進することは3年生で学んでいるので、授業では少し先を行き、中学で扱う屈折と反射を取り上げました。最初に注意事項などを説明、レーザーポインターは人に向けると危険なので、大人が操作すると言いました。
1班4~5人に分かれ、まずは水槽の真水の下に、濃い砂糖水をロートにつないだ管を使って静かに注ぎ入れて、光の速度が異なる二重層を作りました。
LEDとレーザーポインターの光を界面に入射し、屈折、反射、全反射する光路を観測しました。
光速が異なる媒質の界面では、光路が曲がることを観察します。逃げ水、蜃気楼、浅く見える川の底などの現象は、こうした光の進み方の性質によることを説明しました。その後、光ファイバーについて説明をしました。
最後に、水で膨潤した玉とビー玉を水に入れ、ビー玉の個数を当てさせました。前者は光速が水と近いため水中では見えず、水から出すとたくさん玉が入っているのがわかり、児童達は驚いていました。
実験の後で、実験中にもらったいろいろな質問に答えました。
すべての児童がパソコンを携行していて、ブラインドタッチで入力しています。質問や解ったことなど即座に入力し、こちらにすぐ伝わるため、挙手指名などせずにすぐに答えることができます。手を挙げるのを恥ずかしがる子が多い高学年では有効です。3枚目の写真にあるように、実験での光路もタブレットで撮影し、画像を班員で共有しています。時代は変わっているのでこちらもfollowしていかないといけないと思いました。
8月24日(土)の午後に、伊藤眞人、黒田智明、小林憲正、佐々田博之、坪村太郎、西原 寬、町田武生、箕浦真生会員が、立教池袋中学校・高等学校で行われた科学部研究発表会に参加して、コメント・助言などを行いました。
13時から15時まで2階大会議室で開催された発表会には、生徒の他に、教員、生徒の保護者、立教大学のアドバイザーである和田教授なども参加していました。
最初に科学部の顧問である後藤教諭の開会のあいさつがあり、生徒たちの司会・進行で始まりました。開始、発表終了、演題終了のチンもすべて生徒たちの運営です。
中学生の発表が5件、高校生の発表が4件、計9件の個人または3名による発表があり、それぞれ7分のパワーポイントを用いた発表時間の後に、3分の質疑応答が行われました。
発表された研究のタイトルは、「光る人工イクラ」、「ビスマスの骸晶の作成」、「電子コイルの巻き数と回転数の関係」、「食用油を用いた石鹸の作成」、「パルスジェットの装置の設計」、「塩をくわえたときのスライムの粘性の変化」、「炭で吸着」、「色素増感太陽電池における臭素電解液の利用」、「鉄光触媒の可能性(これだけ発表時間が12分)」でした。下の写真は、最初の「光る人工イクラ」と3番目の「電子コイルの巻き数と回転数の関係」と6番目の「塩を加えたときのスライムの粘性の変化」の発表風景です。
質疑応答の時間には活発なディスカッションがあり、SSISS会員からも多くの質問やコメントが出されました。着眼点の良いオリジナルな研究テーマが多く、実験条件を振って集めた結果から考察を行い、結論を導こうとする科学的な方法が良く取り入れられていました。
最後に、科学部顧問の後藤教諭が閉会式を進行され、SSISS(西原会員)、立教アドバイザー(和田教授)、科学部顧問(加藤教授)、副顧問(吉井教諭)から講評と生徒へのメッセージが述べられ、生徒代表のあいさつがあり、研究発表会を終了しました。翌日(8月25日)から科学部合宿があり、報告会での質疑応答を踏まえて、今後の研究を展開するとのことでした。これからの研究の発展・展開が期待されると感じました。
小学校・中学校・高等学校の理科教育を支援する科学者の集まりです