市川学園市川高等学校は、今年度から4期目のSSH指定を受け、2年生のうち理系生徒が課題研究を行うことになり、テーマ設定に向けて先行研究の調査を行い、それをもとに研究構想を練り上げて発表するポスター発表会が6月14日、17日、18日、19日と4日間にわたり、学園のコミュにティープラザで行わたことはすでに報告しました。この後、生徒たちは実験を実施し、ある程度まとまったものを口頭で発表する催しが、11月26日、27日、29日、12月2日の4日間にわたっておこなわれました。SSISSからは、伊藤眞人、小林憲正、進藤哲央、町田武生、和田 勝会員が参加し、質疑応答、指導助言を行いました。
数学、物理学、化学、生物学、地学の分野の、合計222件の発表が4日間にわたり、各日8会場で実施されました。会場が離れているために、それぞれの会員は、離れた会場へと移動を繰り返し、それぞれ実質8分の1以下にしか参加できませんでした。口頭発表は、座長や発表時間の管理などすべて生徒が運営していて、会場で聴いている生徒はほとんど移動していなかったので、口頭発表の訓練の側面があったものと思われます。
さて発表の内容ですが、極めてレベルの高い研究から初歩的なものまでと、さまざまな取り組みに触れることができ、生徒の実験研究に対する認識と旺盛な意欲とを知ることができました。ただし、その研究を行う意味、意義、必然性の詰めが甘い例や、研究計画の立案にあたって何をどのように調べればどのような結果が得られるかを、十分に考えていない例が散見され、やや残念に感じましたが、総じて発表はどれも良く考えられ準備されていて見事でした。
この発表会会期中の11月29日に、教員情報交換会が開催され、他校の教員等との意見交換がなされました。30名を超える理科教員を擁する当該校の課題研究の進め方、指導体制等が詳細に紹介され、研究の論理性、研究倫理の重要性などが強調されていました。懇談の中では、理科実験室を生徒が自由に使えるように開放して効果を上げていることが披露され、交換会に参加した各学校に大きなインパクトを与えていました。
発表会とは全く関係がないのですが、始まる前に待機のために案内された図書室の閲覧室の一角に、こたつの置いてある和室風の閲覧コーナーがありました。ちょっといい感じ。