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池袋立教中学校・高等学校での活動

有山正孝、大井みさほ、野津憲治、廣田穣、町田武生、箕浦真生会員が、7月29日の午後に、2017年度科学部・生物部合同研究発表会に参加し、16名の生徒たちの12件の研究発表を聞きました。

参加したのは、立教池袋中学校・高等学校の生徒、立教新座中学校・高等学校の生徒、それぞれの学校の教員、さらに立教大学理学部野学生、大学院生、生徒保護者も参加していました。

研究発表を聞き、質疑応答に参加し、指導、助言を行いました。中学1年生の発表は、これから実験研究に取り組む手掛かりを模索中のものがほとんどでしたが、高校生のものは、すでに本格的な実験研究を進めていて、この学校の多様な部活動の一端がうかがえました。

特に生物部は、自由な気風があふれ、物理や化学の研究なdが複数なされていて、興味深く聞きました。今後の発展、展開が大いに期待されます。科学部も生物部も、これまでも日本学生科学賞を何度か入賞しています。

市川学園市川高等学校での活動

廣田穣、細矢治夫、町田武生、和田勝の各会員が、7月8日の午後に、市川学園市川高等学校で行われた、平成29年度SSH課題研究中間発表会に参加しました。当日は、数学、物理、情報、化学、生物の分野ごとに、数学が口頭発表、それ以外はポスター発表がありました。

市川学園市川高等学校は、今年が創立80周年ということで、理事長はじめスタッフが研究レベルの一層の向上を目指していて、SSISSもそれに応えて、生徒の研究計画のポスター発表の時から、指導・助言などの活動を行っています。

理系の2年生の生徒全員が、個人あるいはグループで、理科の課題研究を4月から始めていて、今回はその中間発表会です。会員は、それぞれの分野で、生徒が行う口頭発表あるいはポスター発表を聞きました。

4月から始めたものなので、まだ計画を具体化するための装置の作製や予備実験の段階のものが多かったのですが、だからこそ、計画、仮説、実験方法、予備実験の結果などの説明を聞いて、疑問点や、よりよい方法の示唆など、助言を行うことができるというものです。

今回の中間発表を経て、夏休みには本実験を行い結果を出していくものと思われます。良い研究が行われるよう、発表を聞いた生徒たちにエールを送りました。

2時間の発表会の後、分野ごとに市川学園の教員と意見交換会が行われました。発表を聞いての感想と、気になった点などを述べあい、今後の研究の指導の仕方などについて意見の交換を行いました。また、成果の発表の仕方について注意すべき点についてコメントがありました。

香蘭女学校での活動

大井みさほ会員が、6月28日の午前に、東京都品川区にある香蘭女学校で、以下のような活動を行いました。

立教池袋中学校・高等学校の校長だった鈴木弘氏は、この4月から香蘭女学校の校長となりました。SSISSは立教池袋中学校・高等学校に事務局を置かせていただいていることから、この3月に校長室でこの異動の話を、直接聞いていました。

鈴木弘校長の就任メッセージ

さっそく鈴木校長から、同校の理科・数学があまり好きではない生徒を、どうように理科好きになるよう指導したらよいか、相談に来校してほしいと依頼を受けました。

化学の教員でもある船越日出映教務部長も同席し、いろいろと意見交換を行いました。SSISSとしては、協力できることがあれば、おこなう用意があると、伝えました。具体的なテーマなどは、今後、詰めて行くことにして、手始めに、たとえば細矢治夫会員の折り紙を使った活動はどうか、と話題となりました。

今後の活動の具体化が楽しみですね。

 

平成29年度の総会終了しました

報告が遅れましたが、5月20日(土)に池袋立教中学校・高等学校地学教室で平成29年度の定例総会が開催され、無事終了しました。
有山正孝庶務担当理事の開会の宣言の後、出席者と委任状等提出者数から総会は成立しているという宣言があり、続いて大井みさほ理事長から挨拶がありました。
議長の選出が行われ、大井みさほ理事長が議長を務めることになり、以降は議長が議事進行をつかさどり、議事が進められました。

第1号議題(平成28年度事業報告及び収支決算報告)
議長の指名により、野津理事から資料に基づいて平成28年度事業の報告がなされました。昨年度は狛江市からの依頼による件数が多く、充実した年度になりました。
続いて和田理事より平成28年度活動計算書、貸借対照表、財産目録に則って収支決算の報告がありました。
この後、奥田監事より4月20日に東京大学理学部化学教室会議室で行われた監査の報告がなされ、適切に管理されていることが報告されました。その後、審議の後、採決されて可決承認されました。

第2号議題(平成29年度事業計画及び収支予算案)
野津理事から平成29年度の事業計画の説明があり、和田理事からは予算案について、前年度と比較しながら説明がなされました。会員の高齢化と会員数の減少が顕著になりつつあることなど、苦しい台所事情が述べられました。それはともかく、採決の結果、可決承認されました。

第3号議題(役員選任の件)
5月末日で役員の任期の切れるのに伴い、6月1日からの2年間の任期の役員候補者の理事会案について、大井理事長から説明がありました。理事・監事とも現在の役員が重任するという案で、一括して採決することの可否を問い、出席者全員の賛同が得られたので一括して採決し、可決承認されました。新しい役員は重任ですので、このサイトの「SSISSとは」→「役員」をご覧ください。

予定されているすべての議案の審議が終了したので、自由な意見交換が行われました。西原会員から財団の助成に関して、町田会員からは法人の名前について、廣田会員からはNPO法人の認定について、意見が述べられました。

最後に、議事録署名人の選出が諮られ、山本學会員と行本万里子会員が選出されました。庶務理事が閉会を宣言して総会は無事、終了しました。

総会の議事録はここにあります。

細矢治夫会員による講演会

来る5月20日には総会が開かれますが、総会の後に下記の要領で講演会が開かれます。

日時:平成29年5月20日(土)午後3時から4時
場所:池袋立教中学校・高等学校 4階地学実験室
講師:細矢治夫(お茶の水女子大学名誉教授)
タイトル:
「化学と数学をつなげる折り紙と封筒」

「化学と数学」と聞くと、「えっ、科学じゃなくて化学なの、数学とは結びつかないなー」と思われる方が多いと思います。でも違うんです。

高校の化学で、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、、と、やみくもに覚えたことがあると思います。炭素原子が1から順に増えていくアルカンの名前ですね。炭素原子数が6の時はヘキサンです。

ヘキサンの分子式はC6H12で、次のような直鎖状の分子です。
ヘキサンには、3-メチルペンタン、2-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、2,2-ジメチルブタンの4つの構造異性体があり、それぞれ、上の述べた順に次のような構造をしています。
 同じ分子式ですが、形の異なるそれぞれの分子では沸点が異なります。何となく、小さくまとまっている方が、沸点が低い気がしますが、それをどうやって表現すればいいでしょうか。そこでトポロジカル・インデックス(Topological Index、Z)(Hosoya indexとも言います)が登場します。Zは次のように定義される記述子です。

N個の炭素原子をそれぞれ点と考えて表したグラフGで、2点間の最小単位を隣接させずにいくつ置けるかを数え【非隣接数 P(G,k)で表す】、最小単位の数kを増やしていってPの合計を求めたものがZになります。ただしk=0の時は1と定義します。

たとえば、炭素数5のペンタンでは、k=1の時は点の間は4つありますから、P=4になり、k=2の時は次のようになるので、P=3になります。
k=2で打ち止めなので、Pを合計したZは1+4+3=8になります。

ペンタンで述べた方式でヘキサンのZを求めて、沸点との関係をグラフにすると次のようになり、きれいに直線に載ります。上で述べた「何となく」が、Zという記述子で数量的に関係づけられたわけです。

もう一つ、生成熱との関係を同じようにグラフで求めても、沸点の場合と同じように(傾きは逆ですが)、きれいに直線に乗ります。

 このように、化学に理論と数理的な裏付けを持ち込もうとして考え出したトポロジカル・インデックスは、フィボナッチ数列と結びつき、さらにさまざまな数学的な分野に適用が広がっています。

でもって、化学と数学をつなげる折り紙と封筒ということになるのですが、それは当日実演と実習までのお楽しみにしておいてくださいね。

Hosoya cube

ユニット折り紙からできる多面体等を、実演付きで紹介します。

総会のお知らせ

花の時が足早に過ぎ去り、さわやかの5月の声を聴く頃になりました。会員各位におかれましては、充実した時をお過ごしのことと思います。

さて、新しい年度が4月から始まって1か月が過ぎました。昨年度の決算及び今年度の活動方針と予算、ならびに理事・監事の改選を決める定例の総会を、下記のとおり開催いたします。ご参加くださるようお願いいたします。

日時:2017年5月20日(土)午後2時から3時
場所:立教池袋中学校・高等学校 地学実験室(4階)
(東京都豊島区西池袋5-16-5)

詳しい通常総会取集の通知及び資料は追って郵送いたします。出席される場合は、同封の議案書の出欠欄に出席のしるしを付して同封の返信用封筒(切手貼付済み)でご返送ください。

万一、ご欠席の場合は、議案書により、委任をするか、それぞれの議案に対して議決権を行使するかそれぞれの欄にしるしを付して同封の返信用封筒(切手貼付済み)でご返送ください。総会はSSISSの意思決定会議であり、定款により定足数がありますので、お忘れにならないようにお願いいたします。

総会の後に、細矢治夫会員による実習付きの講演会が行われます。タイトルは「化学と数学をつなげる折り紙と封筒」という魅力的なものです。どんなお話が聞けるか楽しみですね。

さらにこの後には、懇親会を開催します。といっても大げさなものではなく、近くの飲み屋さんで、楽しくワイワイと懇親を深める予定になっています。

というわけで総会にはぜひご参加ください。

また総会案内の封筒内には、今年度の「会費納入のお願い」の文書と振替用紙が同封されています。文書中の手順に従って会費の納入をお願いいたします。

市川学園市川高等学校での活動

廣田穣、細矢治夫、町田武生の各会員が、3月11日の午後に、市川学園市川高等学校で行われた、平成28年度SSH課題研究会発表会に参加しました。当日は、口頭発表4件と、ポスター発表128件がありました。

市川学園市川高等学校では、理系の生徒6クラス全員が理科の課題研究を行い、大学教授や研究者の指導・助言により、優れた研究成果を上げているものがあり、国内のコンクール入賞を経て、アメリカでの世界大会にも2年連続で派遣された実績があります。また、AO入試で最高位の大学への進学者も生み出しています。

理事長はじめスタッフが研究レベルの一層の向上を目指していて、SSISSもそれに応えて、生徒の研究計画のポスター発表の時から、指導・助言などの活動を行ってきました。

生徒211名が、個人あるいはグループで行った研究の最後の仕上げとして、選ばれた4件の講演とポスター発表を聞き、質疑応答を行うとともに、さまざまな助言を行いました。

狛江市立緑野小学校での活動

諸般の事情で投稿が遅れ、年度を越えてしまいましたが、3月の活動を報告します。

江尻有郷会員が、3月15日の午前に、狛江市立緑野小学校の4年生2クラスの児童に対して、「空気と金属」というタイトルで実験授業を行いました。

事前に授業案を送って打ち合わせを行って授業内容を詰め、実験内容にあった物品の準備、機器の準備の確認を行いました。そのうえで、当日は以下のような実験授業を行いました。
1)空気の働き(吹き矢で矢を放ち的に当てる実験)
2)金属の実験(金属による電気の流れの違い)

1)の実験は次のように行いました。吹き矢の筒として直径5mmの曲げられるストローを使い、矢としては頭部径4mmの釘を、的としてA4の紙に色付き円を描いたものを使いました。4名の班だったので2名ずつ、矢を吹く人と的を持つ人に分かれ、交代してストローに吹き矢を吹いて的に当てる実験を行いました。吹く息つまり空気の力で釘が飛んでいくことが実感できます。ストローをつないで長くするとどうなるかを加えるなど、発展させることができますが、20分間ではそこまではいきませんでした。

2)直径2mm、長さ10cmの銅、アルミ、鉄、真鍮の線を各班に配布し、豆電球と単3電池2本のセットにワニ口クリップで結線して豆電球の明るさを比較し、同じように検流計につないで針の振れを比べました。回路配線の説明は黒板を使ってあらかじめ説明をしておきました。金属によって電気の流れ方が異なることが見て取れます。20分間で行いました。

最後の5分間を使ってアンケートを取りました。

大田区立西六郷小学校での活動

有山正孝会員が、2月28日に大田区立西六号小学校で、大田区おもしろ理科教室の一環として、6年生の児童2クラス60名と特別支援学級児童9名に対して実験授業を行いました。教員8名の参加もありました。

1月25日に、同校を訪れ担任の内藤教諭と事前の打ち合わせをした際に、小学校で学習した電気と磁石に関する事項を復習・統括して、さらにそれを発展させるような内容にすることで話がまとまり、それに沿うような内容で、次のような順序で実験授業を行いました。

1)最初に小学校で学習する電磁気関連項目の復習をしました。
2)次に、日常生活の中で目に触れる電気についての認識を例を挙げて確認しました。
3)学習指導要領には含まれていないが、日常的に体験し話も聞いている静電気について、摩擦電気の発生を児童自身が実験で観察し、火花放電を演示して見せ、雷の話も含めて解説しました。
4)電磁気学の研究の歴史を手短に話して、静電気と電流の関係を解説しました。
5)電流の基本的性質として発熱と磁化作用があることを説明し、金属は高温で光を放射すること、電流の磁気作用により導線を動かせることを、児童の実験と演示実験によって確認しました。
6)電磁誘導と発電機、渦電流を演示実験で示しました。
7)電気の正体を明かすために、電子について解説し、電子によって電流を理解できることを話しました。

少し難しいところまで話が及びましたが、参加した8名の教員の方々が熱心にサポートしていただき、児童は楽しく学んでくれたように感じました。

三鷹市立第三小学校での活動

日江井榮二郎会員が、2月8日(水)の午後に、三鷹市立第三小学校で、「教員への願い、自分の星を見つけよう、太陽の活動」というタイトルで、三鷹市立の公立小学校及び中学校の教員50名弱に対して講演を行いました。この活動は、三鷹市の公立小・中学校の理科研究部の顧問である鈴山尚子三鷹市立第五小学校長から、大井理事長あてに依頼があり、地元である日江井がひき受けたものです。

当日は午後2時30分から、理科研究部の教員向けの研修があり、教員の方3名が、工夫した教育の仕方について報告があありました。それに引き続いて、講演をしました。

その中で特に強調したのは、教育のプロである皆さんは、次世代を担う子供たちを育てるという大切な仕事をしているので、その矜持を持ってほしいとお願いしました。そして、児童・生徒が自分はかけがいのない存在だと気が付くように、「自分の星を見つけよう」というタイトルで話をするが、そこで子供たちに話かけるために使っているパワーポイントのスライド集を、使えるものはどうぞ使ってくださいとくださいと、渡してきました。

また、ガモフの不思議な絵を見せ、児童に尋ねるのと同じく、教員の皆さんにもどんな風に見えるかを尋ねました。これを子供たちに見せて、反応を見て下さいと話をしました。

教員の中には国立天文台の4D2Uの動画を知っている人もいましたが、それでは見られない太陽活動の動画も見せました。また全員に国立天文台で使われなくなった理科年表(1~数年前のもの)を差し上げました。理科年表は学生以来しばらくぶりで手にしたという先生方もいて、この見方も説明し、大いに活用してほしいと話しました。また日食のDVD「ひので」衛星のDVDも皆さんで見て下さいと言って、鈴山先生に渡してきました。

「太陽の活動」の話に関連して、教員からは、コロナが高温であるのはなぜか、太陽活動の源は、地球への影響は、などの質問を受けました。