「活動記録」カテゴリーアーカイブ

板橋区立板橋第二中学校での活動

大井みさほ会員が、2月9日の午後に、板橋区立板橋第二中学校で行われた教職員教育研究会に参加して、岡村克也高島第一中学校長のほか、教員およそ60名に対して理科部会の研究発表の後で助言などを行いました。

まとまった時間を30分程度もらい、狛江で行なった光ファイバーの授業を紹介し、実際にどのような実験を行ったのかを演示してみせました。若手教員が多いことから、実験例をいろいろと指導してほしいと岡村高島校長から言われていたからです。

また、理科の授業に対して生徒の興味・関心をもたせることに関しても、いろいろな事例を挙げて述べました。演示実験で使用した光ファイバーを、あとで各教員が自分たちがで試してみるために、希望者に配りました。

SSISSのパンフレットを50部持参して配布し、SSISSの宣伝もしてきました。

東京雑学大学での活動

大井みさほ会員が、2月2日に西東京市民会館で開かれた東京雑学大学の第1072回講義で、「台所と物理 -台所は理科の実験室」というタイトルで、およそ50名の受講生にスライドを使って講演を行いました。

はじめに東京雑学大学の菅原珠子理事長から紹介があり、今回で大井会員の講義は5回目であることが告げられました。最初の講義は平成20年で、だいたい2年ごとに講義をしているそうです。
紹介を受けて講義が始まります。

物理学関係の仕事をしてきた人にとって、台所はまるで理科の実験室。熱に関係する機器にしても、ガスバーナー、電熱器、マイクロ波加熱器などの熱を加える装置、それにアルミ鍋、鉄鍋、ステンレス鍋、土鍋、圧力鍋などの加熱用の容器、保温器など。そういう視点で台所と物理の関係をみて、また人が毎日必要とするエネルギーについても考えてみたい、というのが今日のテーマです。

測定する
測定は科学の基礎です。台所には様々な測定器具があります。体積(容積)を測るメジャーカップやスプーン、質量を図る台秤やばねばかり、時間を測るタイマー、温度を測るガラス温度計やバイメタルを利用した揚げ物用温度計、濃度を測る塩分濃度計。

力学
調理をしたりするために、力を加えます。力はモノを動かすとき、動いているモノの速さを変えるときに必要です。モノが重いほど、あるいは速さを急激に変えようとするほど、大きな力が必要です。

速さの変化の割合を加速度と言います。
力=質量X加速度
圧力=単位面積当たりの力=力/面積
一定の速さで動き続けるときは力は必要ない(実際は摩擦などの抵抗があるのでそれに見合う力が必要)。

ということで、ニュートン力学の3つの運動法則が成り立ちます。
3つの運動の法則に加えて、2つの物体の間に働く万有引力の法則があります。地球上のすべての物体も、その物体と地球の間でこの法則が成り立ちます。昔習って混乱したことの中に質量と重さがありました。質量はその物体のもともと持っている量で、gやkgで示します。一方で重さはその物体にかかる重力(地球上では地球の引力による)のことを言い、単位はニュートン(N)を使います。1㎏の物体に対する重力の強さは9.8N(約10N)です。したがって50㎏の人の重力はおよそ500Nになります。昔はニュートンを使わずにkg重とならいましたね。

包丁で切ったり、缶切りで缶を開けたりするときには、力学が関係します。これ以外にも、台所での仕事には「力」が加わって行われるものがたくさんあります。すり鉢、ミキサー、、。急須の底にくっついたお茶っ葉を引き離すとき、逆さにしてとんとたたきますよね、あれは慣性の法則を応用しているのです。

熱力学
熱も物理学の重要なテーマです。煮炊きに熱は欠かせません。熱の逃げ方には、熱伝導、熱放射、対流があります。鍋の材料の熱伝導率を比べると、銅が一番熱伝導率が大きいことが分かります。保温するためには逆に熱伝導率が小さなもので囲むことが必要になります。真空を利用した魔法瓶が良い例ですね。

電磁気学
電磁気学の基本にマクスウェル方程式があります。これを式でなく言葉で表すと、次のようになります。
これを応用したものにマイクロ波オーブン(電子レンジ)があります。電子レンジはマグネトロンから出る2450MHz(波長12.2cm)のマイクロ波を利用して、商品中の水分子(+とーが偏った双極子)を振動させてその摩擦熱で温めます。扉の金網は12.2cmより穴径が小さく、マイクロ波が通り抜けないようにしています。
ですから水を含んだ食品でなければ温まりません。試しに水、バター、サラダオイルを同量とって電子レンジにかけましたが、水以外の温度は上がりませんでした。

熱力学に戻って
液体が蒸発するときは蒸発熱を奪います(夏の打ち水)。これを利用したのが冷蔵庫ですね。
冷媒としてはフロンに代わって、現在はイソブタンが使われています。

力学と熱学をつなげたジュールの実験は有名です。水槽に入れた6リットルの水を、13㎏の錘2個を1.6mの高さからゆっくり下げてることによって羽根車を回転させて撹拌して温めました。20回繰り返したときに0.3度℃上昇したので、水1gを1℃温める1カロリーは4.2ジュールと求められました。
ここで基礎代謝量と、それぞれの仕事に要するエネルギー、それを補うための食品のカロリーを考えてみました。

光学
最後に光学です。野菜などを洗うとき、白いお皿が細かい土や砂などの洗い残しを際立たせてくれるので重宝します。

いろいろと例を挙げましたが、台所は理科の実験室ですね。

講義終了後、質疑応答がありました。台所での調理を誰かのためだなどと考えると嫌になることもあるけれど、今日、教えていただいたいろいろなことを考えながらやると楽しくなりそうです、という感想が印象的でした。

沖縄市立見里小学校での活動

日江井榮二郎会員が、1月20日に沖縄市立見里小学校において、小中学校教員に対して「見える宇宙・見えぬ世界」と題して、サイエンスカフェ方式の対話と講演を行いました。

1)本物の研究者に触れ、科学の面白さを実感する
2)天文に対する思いや感激を話す
3)対話形式
4)今年度の日食の映像
などの話題をコーヒーを飲みながら進めてほしいという要望があったので、それに沿うように努めました。また、あらかじめ2016年版の理科年表、国立天文台・すばる望遠鏡・アルマ電波望遠鏡のパンフレットを現地に送付しておきました。

1958年にスワロフ島で観測された日食を観察しに出かけて、日食病(そんな病名があるとして)になったことを告白しました。それからは、世界各地で日食があれば出かけています。

日食時に観測されるコロナの話をしていたら、なぜ光球より外側にあるコロナが100万度という高温かという質問が出ました。理科年表に記述されている太陽内部~コロナの物理量の表を見ながら、太陽の構造について話し、コロナが高温である観測事実、高温になるべき条件、理論的な研究を述べました。しかし、肝心な点は未解決だと話しました。

これがきっかけとなり、恒星の誕生・成長・死を示す画像を見せ、現在考えられている輪廻(星の一生)のお話をしました。さらに宇宙膨張の事実から、この世界で見えているものは僅かに4%で、見えていない残りの96%が宇宙の構造・活動を支配しているのだと述べました。

生徒たちには教室で、「君たちは星の子」の話をしてほしいと言い、その説明のためのパワーポイントを渡してきました。また理科年表の使い方も簡単に説明しました。

大田区立大森東小学校での活動

有山正孝会員が、1月13日に大田区立大森東小学校の6年生の児童に、「電気と私たちの生活」に関連した実験授業を行いました。

この実験授業は、大田区のおもしろ理科教室の一環としての授業であるため、昨年の12月6日に行った担任と打合せを受けて、教科書・学習指導要領からは逸脱した授業を行いました。

電気の利用と称しているのは、実際は電流を利用しているのであり、それは何故か、どのようにして行われているのか、に重点を置いた授業になりました。ただし、ジュール熱とコンデンサーはこの項目において初めて学習する事項です。

次の順序で、演示実験と児童による実験を入れて、お話を展開しました。

①はじめに:小学校で学習する電磁気関連の項目を振り返る。
②電気って何だ:日常生活の中での電気についての認識の確認(静電気・火花放電の演示を含む)。
③電気の歴史:電磁気学研究小史を通して、静電気と電流の関係を理解する。
④電流の基本的性質:発熱と磁気作用、金属は高温で光を放射すること(演示実験、児童実験)。
⑤磁石は電流が流れている導線を動かす:モーターの原理(演示実験)。
⑥電気を作りだすには:電磁誘導と発電機(演示実験)。
⑦電気は貯めておけるのか:手回し発電機によりコンデンサーの充電・放電を確かめる(児童実験)。
⑧電氣の正体:電子について簡単に解説、電流は電子の流れであること。

6年生にとっては少し難しけれど、とても興味深い内容になりました。おもしろ理科教室にぴったりでした。

狛江市立緑野小学校での活動

江尻有郷会員が、12月19日の午前に狛江市立緑野小学校の4年生3クラスの児童に対して、空気と水に関する実験授業を理科室で行いました。

4年生の理科A:物質・エネルギーには、「空気と水の性質」と「金属、水、空気と温度」という内容があります(残りは「電気の働き」)。事前に理科専任の築山英恵教諭と十分な打ち合わせをして、授業の中ですでに多くの空気および水に関する実験は実施済みなので、授業とは異なる観点からの実験授業をすることになりました。

そこで、改めて次の3つの内容の実験を考えて準備を進めました。
1)温度による気体の変動を、線香の煙の動きで観察する
2)水を沸騰させて気化した時の体積の変化を観察する
3)寒剤を使って温度の変化を測定する(演示実験)

最初に少し基礎的なことをお話。まず「空気と水について」
空気は気体ですね。その成分を知っているかな?酸素、炭酸ガスなどの答えが出ます。
一番多いのは窒素ガス(約78%)で、次が酸素ガス(約20%)、炭酸ガスはずっと少なく1%です。これらの混ざったものが空気です。

それでは水は?水は酸素(O)と水素(H)原子の化合物で、H2Oという分子です。通常の温度では水は液体です。

「物質の形は温度で変化する」
物質の形は、気体、液体、個体に分けられます。温度が上昇すると、固体ー>液体ー>気体と変化します。水の場合は、0度で固体、通常の温度では液体、100度になると気体になります。空気の場合は温度をずっと下げてやらないと、液体になったり固体になったりしません(-196度で液体)。

「温度の表し方」
上に書いた0度とか100度というのはセ氏の温度です(°Cと表示)。水が凍るときの温度を0、沸騰するときの温度を100として、100等分しています。

これ以外にカ氏の温度があります(°Fと表示)が、アメリカとジャマイカなどでしか使われていません。科学の分野で使う絶対温度というのもあります。これはすべての分子が動きを止める温度を0として、セ氏でいうと-273度になります(°Kと表示)。ですから0°Cは273°Kになります。

基礎的なことを理解したうえで、実験をしてみましょう。今日は火気を使うので、十分注意してくださいね。髪の毛はまとめ、袖などは火気の上にかざさないように。

でもって1番目の実験です。テーブルの上にビーカー、アルミフォイル、線香、小型カセットコンロが用意されているので、まずビーカーをアルミフォイルでふたをして隙間をなくします。次に線香に火をつけて、線香をビーカーの中にさし入れて、煙をビーカー内に充満させます。あまり多くない方がいいです。ビーカーの底の片隅をカセットコンロの火で熱して、ビーカー内の煙の動きを観察してみましょう。
上の写真はビーカーの底全体を熱しているので、うまく観察できないかも、、。でも端を熱すると、熱した部分から煙が上昇していき、反対側では上昇した煙が下降していくのが見えました。線香の煙は気体が動くのに伴って、動いているのですね。対流です。

2番目の実験では、試験管、ビニール袋、水量測定用注射器、加熱用スタンド、小型カセットコンロ、水を入れる小ビーカーを使います。試験管に5mLの水を注射器で量りとって入れ、ビニール袋で試験管の口をふさぎ、輪ゴムで止めます。この状態ではビニール袋は平らです。
試験管をスタンドのクランプに挟み、試験管の底がコンロの火の上に来るようにして加熱します。試験管内の水の状態を観察します。
最初は小さな泡が底に生じ、やがて水が動き出して大きな泡を出して沸騰します。それに伴ってビニール袋が膨らんでいきます。水が気化して水蒸気となり、それがビニール袋にたまっていったのです。
試験管に残った水を注射器で再び量ってみると、2から3mLでした。ということは、2から3mLの水がビニール袋を膨らませる量の水蒸気になったことになります。
ボリュームがうんと増えたのですね。どうしてこのようになるか、考えてみてくださいね。

3番目の実験は演示実験です。ジュースを凍らせてアイスキャンディーを作るといったので、みんなひときわ興味をそそられ、教卓の周りに集まってきました。
ビーカーに氷を入れ、寒剤として食塩を使います。デジタル温度計のセンサーをビーカー内に入れて温度を測定しながら、試験管にジュースを入れ割り箸を立てて、ビーカーの中に浸します。温度は下がっていき、マイナス7°Cになりました。ジュースは凍りはじめ、シャーベット状になりましたが、アイスキャンディーのように固くはなりませんでした。みんな食べようと思って虎視眈々だったのに残念!

今日は空気と水が温度によってどのように変化するか、実験をして観察しました。
みんな分かったかな。アンケート用紙があるので後で記入して担任の先生に渡してください。それではこれでおしまいです。

最初の2クラスは実験3まで進みませんでした。最後のクラスはちょっと急いだのとアイスキャンディーに惹かれてテキパキやったので3まで進みました。いずれのクラスでも担任の先生と築山先生が補助をしてくれたのでスムースに進みました。

緑野小学校には理科専任の築山英恵教諭が配置されています。そのためか理科室は備品などがよく整頓されて配置され、理科室の環境はとてもよく整備されていると感じました。終了後に校長室で、大場一輝校長先生と築山英恵教諭を交えてお話をした際にそのことを話すと、幸いなことにそうなんです、と言い、さらに司書教諭もいて図書館の利用で効果を上げているとおっしゃっていました(ここを参照)。

理科教育振興のためには(特に小学校には)緑野小学校のように理科専任の教諭が配置されることが望ましいなと感じました。

狛江市立第三中学校での活動

大井みさほ会員が、12月14、15日に狛江市立第三中学校の1年から3年までの全学年の生徒に対して、「光の進み方(光ファイバー)」というタイトルで実験授業を行いました。

14日の2,3限を1年生2クラス、4、5限を3年の2クラスにあて、15日の2、3、4限を1年生の3クラスに当てました。学年によって進度に違いがあるので、ちょうど学び始めた1年生には光の屈折と反射を丁寧に説明し、すでに学んでいる2年生と3年生には復習をしてもらいました。

レーザーを各実験台に1台ずつ配布し、水槽に入れた水をわずかに濁らせてレーザー光のビームを可視化して観察し、ビームの角度によって水の表面で全反射が起こることを確認してもらいました。この全反射の応用として、プラスチックの四角棒中をレーザー光のビームが全反射を繰り返して進むことを示しました。

次いで光ファイバーとLED光源を渡して、光ファイバーによる光の伝達を実験して光通信の原理を体験してもらい、実際に光ファイバーの両側で点滅して、数のあてっこをしてもらいました。これがモールス信号、今ではデジタル信号で通信する原理です。

光の進み方の観察は、授業の中でも実施しているようでしたが、レーザービームの観察が生徒たちの理解にとても役立つように感じました。

ともかく長丁場の活動でした。

狛江市立第六小学校での活動

細矢治夫会員が、12月6日に狛江市立第六小学校で5年生3クラスに対して「分子の形とはたらき」という単元に関連して、折り紙を使って正多面体を作る実験授業を行いました。

準備として、折り紙で作ったさまざまな正多面体を用意しています。

小学5年生では、まだ原子や分子の話は難しすぎるので、まず初めに、数学や折り紙に興味を持っておくと、中学校や高校の理科や化学の学習が楽しく、わかりやすくなるとことを説明しました。

でもって、形を立体的にとらえる方法として、裸眼立体視を試みてもらいました。児童、一人一人に次のような図形を印刷した紙を配布して、両手に持って目の前にかざし、左右それぞれの図を左眼と右眼で見て、真ん中に浮かんだ3番目の図が立体的に見えるように練習します。
すぐに見えるようになる児童もいましたが、なかなかコツがつかめない児童もいました。後は練習ですね。

次に、折紙で多面体(正八面体と正四面体)を皆に作ってもらいました。最初は正八面体のスケルトンです。折り方図は配ってあります。
かなり複雑なので、丁寧に説明をします。
机の間を回って、できていない児童の手助けも、、。
2つのユニットを組み合わせると、正八面体のスケルトンが出来上がり。両手ではさんで息を吹きかけると、くるくると回ります。

ちなみにミョウバンの結晶は正八面体です。飽和水溶液中に細い糸(髪の毛)に種をつけて吊るすと、結晶が成長して正八面体になるはずです。
ミョウバンの結晶のつくり方へのリンク

次は正四面体です。こちらは折り紙(15cm四方)の四角形の上側2cmを切り取り、それを半分にして長さ13cm幅7.5cmの長方形を作ります。
これを使って次の折り方図で作ります。
今度も折り方を説明し、机の間を回って教えていきました。早く分かった児童が迷っている児童に教えている場面が多くみられました。みんなワイワイ、楽しく作っています。

正四面体は有機化学を習うとすぐに出てくるメタンですね。重心に炭素原子があり、そこから4つの頂点に共有結合の腕が伸び水素原子が結合している分子です。折り紙を通して覚えておけば、先に言って学習したときに立体的に捉えやすくなるでしょう。
(分子模型の図はWikipdiaメタンの項目より)

最後にちょっと数字のお遊び。36は6掛ける6、100は10掛ける10、それでは1936は?
数学をちゃんと理解すると、とても楽しくなるし、これからの学習の役に立つのだよと、強調します。最後になってしまいましたが、持ってきたいろいろな形の折り紙を見せて説明。
先生の方が楽しんでいました。

細矢治夫会員が化学と数学についてどんなことを考えているか、興味ある方は下のサイト「カフェ・デ・サイエンス」の第36回から42回の講演のレポートを読むといいかもしれません。
カフェ・ド・サイエンスのトップページへのリンク

八王子学園都市センターでの活動

有山正孝、大井みさほ、廣田 穣、町田武生、和田 勝会員が、11月26日午後に八王子駅前の八王子都市センターのホールで開かれた、第8回八王子市中学校科学コンクールの表彰式に参加しました。

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このポスターでわかるように、八王子市中学校PTA連合はこの企画に大変、力を入れていることが分かります。ポスターのイメージイラストも生徒さんの作品です。

12時から11階の会場で今回、二次審査を通過した37作品がポスター形式で展示されています。1時から12階のホールで表彰式が行われました。開会宣言の後、最初に後藤真弓会長が主催者を代表してあいさつをし、その後、来賓のあいさつとして八王子市教育委員長、中学校校長会の松木中学校長、協賛団体のオリンパス工業の取締役事業執行役員の、ちょっとしたエピソードを入れた含蓄のある挨拶が続きました。
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二次審査を通過したけれど惜しくも最終選考には漏れた32作品の作者に対する表彰式があり、後藤会長から表彰状と副賞が授与されました。

その後、SSISSも審査に協力して最終選考で選んだ、奨励賞、優秀賞、最優秀賞の作者に対して表彰が行われました。奨励賞は3件で、「自作の気圧計による気圧の測定と天気の研究」、「クローバーの葉の動きかた」、「豆苗の収穫を増やす・2016」、優秀賞は1件で、「ジョロウグモの生態について」、最優秀賞も1件で、「織り染め」に適した紙の条件は何か」でした。

それぞれに賞状と副賞を授与して記念撮影。副賞は次の写真にあるようにオリンパスの双眼鏡とデジタルカメラでした。
20161126-3記念撮影後に準備の時間を空けて、奨励賞、優秀賞、最優秀賞のプレゼンテーションが行われました。いずれの演者もパワーポイントを使い、研究の目的、下調べ、実験の方法、結果、考察と手際よくまとめています。それぞれの発表に対してSSISSの会員はコメントをしました。前年度の研究をもとにさらに発展させたケースも多く、興味深く質の高い研究が多かったと思います。発表の雰囲気を伝えるために、1枚だけ写真を載せておきます。
20161126-4最後に5人が壇上に上がり、盛大な拍手を受けていました。

その後、各発表に対する校長先生からの講評があり、最後にくぬぎ台中学校PTAで事業担当の方から参加者その他にお礼があり、会はお開きとなりました。
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対馬市立久田小学校での活動

日江井榮二郎会員は、11月25日の午後に、対馬市立久田小学校で5年生と6年生の児童に対して、太陽の恵みというタイトルで講義授業を行いました。久田小学校の楠本正信校長をはじめ9名の教職員も聴講しました。
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会場は図書室でした。太陽は「母なる太陽」と言われているように、絶え間なく地球に光のエネルギーを送ってくれています。全人類が消費しているエネルギー量の1万倍ものエネルギーを、地球に注いでくれています。しかし人類はまだ、太陽光を十分活用していなように思います。

樹木は太陽の光を受けて、空気中の二酸化炭素と水を葉と根から吸収し、光合成によって栄養となる有機化合物を作り出して、樹木を成長させています。
kougousei-sikumi図はhttp://www.imart.co.jp/technology-front.htmlよりお借りしました。

二酸化炭素の成分である炭素には、軽いものと(炭素12)と重いもの(炭素14)があり、樹木は分け隔てなく吸収して年輪の中に残すので、古い樹木を7000年にわたって調べると、炭素14の変動が見られます。

炭素14は宇宙線が地球の大気中の窒素に衝突してつくられます。太陽が活発の時には太陽からの太陽風に乗って強い磁場が放出されて地球に到達するので、地球に注いでいる宇宙線が入りづらくなってしまいます。宇宙線が注がれにくいと、炭素14は少なくなります。炭素14が少ない時は太陽の活動が激しく、多い時には活動が鈍いという事が分かりました。

その結果、太陽の活動は11年毎に変動を示すが、数百年おきにも大きな変動を起こしていることがわかりました。大きな変動の時には、地球の気候にも影響が現れるので、大きな変動がいつ起こるかを予測したいのですが、今の天文学では予測ができません。それで太陽の研究を続けています。

gingakei-s図はhttp://ada-kitakyu.com/tentai/tentai.htmlよりお借りしています。

太陽は天の川銀河の内でどこに位置しているかを画像で示しました。銀河系の中心を軸として一周するのに約2億年かかるような位置に太陽は存在します。太陽は現在までに銀河系の中心の周りを23回まわっています。人間の年齢と似た年齢の数え方をすると、太陽は23歳であると言えるでしょう。今の太陽は若々しく、活動的な太陽のすがたが観測されています。太陽の中心は「押しくらまんじゅう」のように元素(水素)が強く押し込まれいて、互いに融合して別の元素(ヘリウム)になります(核融合反応)。その時に巨大なエネルギーが放出されます。

このようにして太陽は長い間、輝くことができるのです。白色光で観測された黒点の動画やX線で観測された活動的な現象の動画を見せて、天の川銀河に見られる馬頭星雲、バラ星雲、バレリーナの形をした暗黒星雲、散光星雲、超新星爆発の様子を示すかに星雲、星の死を見せている惑星状星雲の画像を見せ、恒星の誕生、成長、死、それに伴う恒星のガス放出、これらのガスが引力により再び集まり、次世代の星となるという星の生涯に触れました。

暗黒星雲のガスや塵の組成は、水素、炭素、酸素や一酸化炭素、アルコールなどの有機分子であり、これらの化学物質が生物の構成する元素となっています。だから君たちの体の中の水素、酸素、炭素、カルシウムなどは、すべて宇宙で創られたものなのです。

国立天文台製作の宇宙や天の川銀河系の誕生の動画、白色光で見た太陽やX線で観測された太陽の動画、皆既日食動画を見せました。ガモフの不思議な絵を見せ、何を感じ取るかを訊いて、これは正答のない設問であり、将来このような課題に必ず出会うから、その時のために正答のある問題を今のうち解いて、頭を柔軟にしておくようにと話しました。

小学生は元気がよく、質問も多く出ました。最後に国立天文台、すばる望遠鏡、アルマ望遠鏡、TMT計画、太陽観測所のパンフレット、Hα線太陽のシール、ぱたぱたキューブ、パラグアイ皆既日食ファイルを児童に渡し、太陽を見上げた時に今日の話を思い出して、また宇宙のことも考えてとエールを送りました。
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対馬私立豊玉中学校での活動

日江井榮二郎会員が、11月24日午後に対馬市立豊玉中学校の3年生徒25人に「僕たちは星の子」というタイトルで講義授業を行いました。八坂健一校長他教職員6名も聴講しました。

講義の場所は理科室。あらかじめ講義で使うパワーポイントのファイルを担当教員に送っておいたので、生徒は話の内容をある程度、知っていたようで話しやすかったです。
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理科の教科書を見ると、人はみな星の子であることを取り上げています。そこで、元素の周期表に載っている元素は、いつ、どこでつくられたかにまつわる話をしました。

宇宙は微小な超高温・高圧の塊から爆発的に誕生し、その時にさまざまな元素がつくられたと、ガモフは1946年ビッグバン理論を提唱をしました。しかし当時の天文学の主流は定常宇宙論であり、なかなか認められませんでした。それからほぼ20年後の1965年、ガモフの予言していた宇宙背景放射が発見され、ビッグバン理論は広く認められるようになりました。

元素の起源についてはガモフの理論は訂正され、今では軽元素はビッグバンの時に、重元素は恒星の中で、あるいは超新星爆発により創られるという事が分かっています。恒星はどうして輝くのか、また輝き続けるのか、そのしくみを話し、核融合反応により、さまざまな元素が創られたと説明しました。

天の川銀河系に見られるきれいな星雲の映像を見せて、これらのデータから、恒星の一生のシナリオが創られたことを説明し、国立天文台が製作した、宇宙や天の川銀河系の誕生の動画、白色光で見た太陽やX線で観測された太陽の動画、皆既日食動画を見せました。

その後、ガモフの不思議な絵を見せ、何を感じ取るかを尋ねました。これは正答のない設問であり、将来このような課題に必ず出会う、その時のために正答のある問題を今のうち解いて頭を柔軟にしておくようにと話しました。

国立天文台、すばる望遠鏡、アルマ望遠鏡、TMT計画、太陽観測所のパンフレット、Hα線太陽のシール、パラグアイ皆既日食ファイルを生徒一人一人に渡して、宇宙、そして天文学への興味を持ち続けてほしいとエールを送りました。