「活動記録」カテゴリーアーカイブ

狛江市立第一小学校での活動

奥田治之会員が、11月25日に狛江市第一小学校で、6年生3クラスの児童に、「冬の星座を探そう 赤い星、青い星」と題して授業を行いました。
20161125-1最初に自己紹介。宇宙科学研究所(JAXAの研究部門)で赤外線による宇宙観測を行っていました。はじめは気球を使い、人工衛星を使うようになります。現在、赤外線衛星「あかつき」が宇宙空間を飛行しています。
20161125-2なぜ宇宙へ望遠鏡を上げなければならないかというと、星からの赤外線は大気に邪魔されて、地上にはほとんど到達しないからです。水蒸気の少ない高地や、大気圏の外に上げた望遠鏡で赤外線を観測し、遠い星からの情報を分析しているのです(赤外線天文学)。

自己紹介はこれくらいにして、星のお話をしましょう。今日のお話のエッセンスは、夜に戸外に出て空を眺め、ぜひ星を観察してほしいということです。冬の空は大気が澄んでいるので、星の観察には絶好の時期です。南の空を見上げるとこんな風に見えるはずです。もちろん星座を示す線などはありませんが、、。
20161125-3中央から少し右下にあるのがオリオン座です。ベルトにあたる横並びの三つ星は見つけやすいですよね。右手にわきにしたにあたるところの星はひときわ大きく、「べテルギウス」という名前で呼ばれています。オリオン座の左方向にあるこいぬ座には「プロキオン」、左下のおおいぬ座の前足の付け根には「シリウス」という名前の星があります。この3つの星はひときわ目立つので、冬の大三角形と呼んでいます。みんなは夏の大三角形は習ったんでしたよね。

20161125-4 20161125-6

昔の人は、星は空を覆う丸天井に開いた穴だと考えていました。皆はそんな風には思いませんよね。星は太陽と同じ仲間で、恒星と呼ばれます。たとえば太陽は、温度が6000度、大きさは地球の100倍、地球から1.5億キロメートルのところにあります。新型最速新幹線(300㎞/h)だと着くまでに60年もかかる計算です。太陽が石油でできているとすると1万年で燃え尽きてしまう計算ですが、燃え尽きないのは核融合反応でエネルギーを作り出しているからです。

上で述べたオリオン座のべテルギウスは、日本では平家星と呼ばれ、オリオン座は鼓星といいます。確かに形が鼓に似ています。
20161125-7オリオン座のベテルギウスは赤い色ですが、ほかの星は白い色をしています。どうして星の色は異なるのでしょうか。それは星の温度によるのです。
20161125-8温度の低い星は赤く、温度が高くなると黄色になります。太陽がこれにあたります。さらに温度が高くなると青白くなります。

20161125-9上の写真にあるようにべテルギウスは、一等星で地球から600光年も離れたところにあります。つまり今見ているベテルギウスからの光は600年前に星から発っせられたものだということです。赤い色に注目してください。直径は太陽の1000倍もある超巨星です。

いっぽう、プロキオンはベテルギウスよりもずっと近い、11.46光年先にあり、青白い色をしています。大きさは太陽の2.05倍ほどです。

シリウスも青白い星で、大きさは太陽の1.7倍、距離はさらに近くて8.6光年です。
20161125-11
ちなみにベテルギウスの表面温度はだいたいは3500度、太陽が5700度、プロキオンは6500度、シリウスは9800度で、この順に赤、黄色、青白色となっています。

オリオン座の三つ星の下に、ボーっとした光の塊が見えます。これがオリオン座大星雲です。
20161125-12この大星雲を赤外線で観測すると、、
20161125-13赤い(温度の低い)ガス、塵が見えます。星の生まれる温床なのです。星は、ガス、塵の温床から生まれて赤外線星となり、太陽のような黄色い星となり、ついで白い星となり、最後は膨張して赤色巨星となって爆発して一生を終えます。その後は、白色矮星になる場合もあり、中性子星あるいはブラックホールになる場合もあります。下の写真では中心左のボーっとしたものから反時計回りに回って赤い大きな巨星になります。
20161125-14空を見上げるとたくさんの星が見えます。それらの星はいろいろな色をしています。明るいのも暗いのも、大きいのも小さいのもあります。目に見える星は全天で6000個ほどあります(季節で異なりますが)。
20161125-15ぜひ、自分の眼で夜の空を見上げて、どんな星があるか、その星の色は?何歳ぐらいなのか?など、今日の話を思い出して考えて、調べてください。「自分の眼で見る、自分の頭で考える」が大事なのですから。

お話が終わってから、ブラックホールや、ほかの天体に生命はいるのかなど、たくさんの質問がありました。
20161125-17

狛江市立和泉小学校での活動(2)

神田久生会員が、11月22日に狛江市立和泉小学校で5年生の2クラスの児童に、物の溶け方と関連して、いろいろな結晶とそのでき方の実験授業を行いました。

始まる前に、いろいろな結晶を教卓に並べて準備します。
20161122-1右端にケイ素の結晶、その左に方解石、テレビ石(ウレキサイト)、水晶、黄鉄鉱などが並んでいます。ダイアモンドもあるんです。

児童が理科室に入ってきました。ご挨拶ののち、自己紹介、「つくば市から来ました、つくばって知っているかな?筑波山は?」手が挙がって半分の児童が知っているようです。
20161122-220161122-3ここからおもむろに結晶のお話へ。まずはみんなに教卓に並べた結晶を見てもらうことに。顔を近づけて見たり、触ったり、、。
20161122-4

いろいろな結晶を見てどう思ったかな。結晶とは、「原子が規則的に並んだもの」で、「そのため特徴的な形や色などの性質をもつ」のです。次の写真の右下の原子模型のように、結晶では原子が規則的に並びます。
20161122-5

それでは結晶はどこで見られるでしょうか。身の回りにたくさんあります。海岸の砂浜の砂を拾うと、砂粒の中に小さな結晶がたくさん混ざっています。河原に行っても同様です。一方、ダイアモンドは、特定の鉱山で深い地中から掘り出されます。

庭に置いた水槽が、寒い冬の日に凍っているのを見たことがあるでしょう。氷は水の結晶です。葉っぱに着いた霜も水の結晶です。
20161122-6

では結晶はどのようにできるのでしょうか。あるいは結晶を作ることはできるのでしょうか。結晶は原子が規則的に並んだものでしたね。水に溶けるもの(例えば食塩)だったら、水に溶かしてやります。そのあとで、食塩分子(実際はイオンですが)が規則的に並ぶようにすればよいのです。つまり、水をゆっくりと蒸発させてやれば、分子は規則的に並びます。
20161122-7
物質がもうこれ以上は溶けない量を溶解度といい(つまり限界があるのです、正確には1気圧下で一定温度の水100gに溶ける溶質の質量をgで表し、食塩は20度で35.89です)、溶解度まで溶かした水溶液を飽和水溶液といいます。ですから飽和水溶液に近い食塩水を温めて水を蒸発してやれば結晶ができるはずです。

ダイヤモンドのような水に溶けない結晶はどうやって作るのでしょうか。1400度以上で溶かした金属を溶媒としてこれに純度の高い炭素を溶かし、高圧にして結晶を付くrます。そのために大掛かりな装置が必要です。左がダイアモンド、右が水晶の結晶製造機です。
さあ、ここから実験です。いろいろな物質の濃い水溶液を持ってきたのですが、全部はできないので、まず食塩と尿素の結晶を顕微鏡で観察しましょう。
20161122-920161122-10
スライドグラスに一滴、水溶液を落としてドライヤーで乾かした標本があります。
20161122-11

標本をもらってテーブルに戻り、顕微鏡、ルーペなどで観察します。砂浜から採取した砂もルーペで観察してもらいました。
20161122-13各班ごとに、食塩と尿素の結晶がどんなだったか発表してもらいました。実験ノートをちゃんと取っている児童もいます。
20161122-14こうしたあっという間に45分の授業は終わりました。ありがとうございました。
20161122-16

補足:
食塩の結晶の成長の様子が次のNHKのページで見ることができます。クリックしてのぞいてみてください。
http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005301099_00000&p=box

狛江市立第二中学校での活動

木下 宙会員が、11月18日に狛江市立第二中学校の2年生4クラス171名に対して、「小惑星探査機 はやぶさの冒険 60億kmの旅」と題した授業を行いました。
20161118-1最初に「新しい太陽系像」についてのお話。現在までの観測をもとにした太陽系は、太陽から外に向かって順に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星と、海王星の外側にある冥王星を含む5つの準惑星、それと太陽系小天体(小惑星、彗星、その他の塵)から構成されています。
20161118-2惑星のうち、水星から火星までの4つの惑星は地球型惑星と呼ばれ(岩石惑星とも言います)、だいたい地球と同じくらいの大きさの惑星ですが、その外側の木星と土星は大きさがずっと大きく(地球の10倍の直径、巨大ガス惑星と言います)、天王星と海王星も地球よりはずっと大きい(およそ4倍、巨大氷惑星と言います)惑星です。
solar_system_scale-2この図は大きさを比較するために水星から海王星まで並べてあります。太陽からの距離は正しく反映されていません(Wikipediaより)。

上の図の火星と木星の間に小惑星帯があり、多数の小惑星が太陽の周りをまわっています。これ以外に地球の近くを通る小惑星もあります(地球近傍小惑星)。両方を合わせると700,000個を超えると言われています。こんなにたくさんあると、地球にぶつかりそうですが、一つ一つは小さいので、その心配はありません。ただし、6500万年前にユカタン半島近くに衝突した小惑星がありました。その結果、恐竜が滅んだと考えられています。
20161118-3さらに上の図のように、海王星の外側に、太陽系外縁天体がたくさん存在します。

どうしてこのような配置になったかは、太陽系の誕生の歴史が関係しています。太陽系は下の図のようにして誕生しました。
20161118-4
動画の方がわかりやすいので、ちょっと動画を借りることにします(YouTubeより)。

というわけで、小惑星は惑星になり切れなかった、あるいは原始惑星が壊れた「かけら」なので、その組成がわかれば、太陽系の起源を知る手掛かりになると考えられるのです。

そこで地球近傍小惑星であるイトカワが選ばれました。イトカワは長さ500メートル、幅220メートルで、その軌道は太陽の周りを地球軌道のすぐ内側(近日点)と火星軌道の外側(遠日点)を回るような軌道をとり、狙いやすかったのです。次の図がイトカワ(I)の軌道です(Sは太陽、Eは地球、Mは火星)。
こうして、イトカワにたどり着くための小惑星探査機「はやぶさ」が、2003年5月9日に鹿児島県大隅半島の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。
021_300x
はやぶさの旅の目的は、太陽系誕生のなぞを探るために、イトカワ表面のサンプルを持ち帰ることと、新技術であるイオンエンジン、地球によるスイングバイ航法の実証などのためです。
20161118-5

これがはやぶさの全体像です。青色の太陽電池パネルを両側に広げた全幅は5.7m、本体は1mx1.6mで奥行きが2mの直方体です。手前にイオンクラスターエンジンの4つの噴射孔、上面に通信用のアンテナンが見えます。
018_588xhttp://ascii.jp/elem/000/000/528/528836/より。ここに詳しい解説が書かれています。

一本足のサンプル採取装置が下側に見えます。ここにつながる本体内に採取したサンプルを持ち帰るカプセルが置かれていて、大気圏に再突入した時にも燃え尽きないように工夫が凝らしてあり、着地用のパラシュートも備えています。

打ち上げ後、はやぶさはまずは地球とほぼ同じ軌道にのせられ、2004年5月19日に一回りして地球のすぐそばに到達しました(下の図)。ちなみに、打ち上げの時は化学燃料を使うのですが、宇宙空間に出た後は、イオンエンジンを使います。これは太陽電池で作った電力を利用して、キセノンをイオン化してこれを噴射孔から噴き出すことにより推力を得ます。小さな力ですが宇宙空間ではこれで十分なのです。

地球に最も接近したところで、地球スイングバイ航法を実施します。ちょうどハンマー投げで投擲をするときに、ワイヤをもって振り回して遠くに投げるように、地球の引力(これがワイヤーに相当)を使って振り回して(1回だけですが)、イトカワの軌道に投げ入れるのです。
スイングバイは見事に成功して、はやぶさは地球から離れてイトカワの軌道に入りました。それから1年4か月後の2005年9月12日にイトカワに到着します。ここからははやぶさは、自立誘導航法で地球からの命令がなくてもイトカワに寄り添うように航行します。そして写真を撮影して地球に送って自転しているイトカワ全体の地図を作るとともに、X線や赤外線でも撮影して、惑星がどんな鉱物でできているかのデータも送ります。

こうして得た地図をもとに、着陸に適した場所を決めたら、ターゲットマーカーをその場所に落として、そこを目印にはやぶさの着地を試みます。2005年11月20日と11月26日の2回、試みました。着地をしたらサンプル回収装置内の弾を小惑星表面に向けて打ち出し、その衝撃で表面から舞い上がった破片を吸引して回収します。
NatureダイジェストVol8 No10 Newsより

JAXAサイトより

しかし1回目は足場が悪くて機体が傾き、上の想像図のようにはうまく採取できませんでした。2回目は何とか予定通りに動いて離れましたが、採取できたかどうかは不明でした。ここから、はやぶさはご難続き、数々のトラブルに見舞われます。化学推進エンジンのトラブルがおこり、交信途絶により迷子になり、予定をしていた2007年7月の地球への帰還を断念します。

JAXAの科学者たちは機能回復のためのさまざまな試みを行います。詳しいことは省略しますが、2010年にもう一回りして地球に近づくときに帰還するために、満身創痍のハヤブサ(の太陽電池やイオンエンジン)をだましだまし使い、軌道計算をやり直します。そしてついに6月13日に、はやぶさは地球に戻り、大気圏に再突入しました。

はやぶさの機体は燃え尽き、切り離したサンプルを回収したであろうカプセルがオーストラリアのウーメラ砂漠に、最後はパラシュートで着地しました。再突入からカプセルを切り離すまでの映像がYouTubeにあります。先頭を走る白い小さな球がカプセルです。

20161118-7

こうしてカプセルは回収され、イトカワから採取した微粒子がカプセル内に入っていることが確認されました。これを解析して小惑星イトカワのデータが得られ始めています。詳しい成果はJAXAのページにあります。

はやぶさの後継機であるはやぶさ2が、2014年12月7日に種子島から打ち上げられました。今度はリュウグウという小惑星を目指します。このような研究の積み重ねで、だんだんと太陽系誕生の秘密が解き明かされていくんですね。夢のあるお話でした。
20161118-8補足:
次のものは、ハヤブサの組み立てからカプセル回収までを描いた、JAXA製作の映像です。

また、はやぶさ君の冒険日記のページがJAXAにあります。その内容がPDFとしてダウンロードできます。読んでみましょう、おもしろいですよ。はやぶさ君の冒険日記(PDF)

ハヤブサの帰還は映画にもなりました。満身創痍で帰還して燃え尽きたはやぶさのことが、感動物語として下のような動画にもなっています。

桐生市桐生文化会館での活動

日江井榮二郎会員が、11月12日に桐生市桐生文化会館で開催された、「美しき地球! 次世代への継承」という講演会とコンサートの催しで、講演を行いました。この催しは、崇禅寺の自然を守る会が主催した創立40周年記念事業です。
20161112

講演の要旨は以下の通りです。
美しき地球も美しき宇宙も、一朝一夕には生まれません。地球は誕生以来、様々な事件に出会ってきました。

シアノバクテリアによる光合成の結果、数億年かけて地球大気には酸素が増加し、オゾン層もできて、太陽からの強力な紫外線が地上に到達しなりました。

そのため、それまで海中で生存していた動植物が地上で活動をはじめることができるようになり、今日見るような地球環境になったのです。
1a_earth01(画像は東京工科大学工学部応用化学科BLOGより)

天の川銀河にも美しい星雲が見られますが、これも138億年の歴史の流れの中で現れたものです。
m83(画像は暗黒星雲博物館より)

この美しい自然をむしばむ地球温暖化ガスを削減することの大切さを述べました。

そして、国立天文台が作成した、宇宙・太陽の動画を見せました(講演のものとは違うかもしれませんが)。

東京雑学大学での活動

日江井榮二郎会員が、11月10日にNPO法人東京雑学大学の公開講座を多摩交流センター会議室で行いました。「陽の光ー太陽の恵み」というタイトルです。東京雑学大学は、生涯学習の推進、まちづくりの推進、文化、芸術、スポーツの振興を図るために、東京西部地域の数か所の会場で、毎週、さまざまな分野で活動する講師を招いて講義を行っている団体です。

会場には25名の参加がありましたが、この公開講座はインターネットを使って中継されていたので、他の会場でも多くの受講者がいたものと思われます。

講演の内容は以下の通りです。
まず宇宙の誕生、その時空間の宏大さ、悠久な時の流れを、国立天文台製作の動画を使って説明し、このような時空間なかで、太陽が誕生し、成長しつつあるという現代天文学の考え方を話しました。

最近のアルマ電波望遠鏡(チリのアンデス山中にあります)による星の誕生の様子や、科学衛星による詳細な太陽活動の観察結果を見せ、これらの現象には、プラズマと磁気との密接な相互作用が見られ、その諸活動の解釈には未だ解決されていない点があることを話しました。
pct_page00-03(写真は国立天文台アルマ望遠鏡のページより)

地上のありとあらゆる生き物は、太陽光のエネルギーを享けて命を保っています。太陽光のエネルギーは太陽定数として理科年表に表示されています。太陽定数というのは、地球大気表面の単位面積(1平方メートル)あたりに1秒間、垂直に入射する太陽の仕事率のことです。この値は、1平方メートル当たり1.35kW、あるいは、1平方センチメートル当たり毎分1.96カロリーです。

人工衛星による測定によると、太陽定数は太陽の11年活動周期に伴ってわずかに変動し、活発な時には静かな時期に比べて約0.1%大きいのですが、その変化量はわずかなものなので、定数として扱われています。
solar-cycle-data(図はWikipediaのImage from Global Artより)

太陽定数は、地球大気の吸収が無い地球大気圏外での値であり、大気や雲などによって反射・吸収され、また入射角があるので、地上に到達したときの値は、その約半分となります。いま、1平方センチメートル当たり毎分1カロリーが地上に到達しているとすると、1坪の面積が2時間太陽光を受けると、そのエネルギーは4千キロカロリーとなります。もし人間が光合成可能な生き物であれば、代謝に必要なエネルギーは、太陽光から十分、得られることになります。
3(葉緑体を体内に持つウミウシの一種。体内に取り込んだ藻の葉緑体で生きていける。写真はここからで、元の写真はEOL Learning and Education Groupより)

経済産業省資源エネルギー庁が発表している平成27年度年次報告書によると、世界のエネルギー消費量(一次エネルギー)は2014年には石油換算で129億トンに達したとあります。これは5.4x10^20ジュールに相当します。一方、地球に注がれる太陽光は1年間で5.4x10^24ジュールに達し、これは全人類が消費しているエネルギー量の1万倍も多いことになります。

太陽光のエネルギーは、未だ十分活用されていないのが現状です。地球温暖化ガス削減に向けて、人間の「チエ」が求められているとおもいます。

八王子市立楢原中学校での活動

有山正孝、江尻有郷、大井みさほ、奥田治之、野津憲治、細矢治夫、町田武生、和田勝会員が吉安信雄氏とともに、11月12日の午前に、八王子市立楢原中学校で1年生約170名を対象に、7つのテーマに分かれて、理科の実験授業を行いました。この日はPTAへの公開授業でもあり、校長、副校長理科担当教員に交じって、父兄の参観もありました。

それぞれのテーマは以下の通りです。
有山・吉安「さおはかり」では、さおばかりを作って、てこの原理を学ぼうというもので、有山会員が用意した材料を使って、生徒はさおばかりを作りました。
20161112-1 20161112-220161112-3
江尻・大井「豆電球とLED」では、豆電球とLEDの電流値を測定し、違いを考えるというもので、電流計を使って測定し、それぞれの特性を考えます。
20161112-420161112-5
奥田「日時計」では、紙で日時計を制作し、戸外でこの日時計を使って実際に時刻がわかるか試してみようというものです。
20161112-6 20161112-7 20161112-8
野津「地球の歴史」では、地球の歴史年表を作ろうというもので、地球が誕生してから今日までの46億年の歴史と、時々に起こった出来事を書き出していきます。
20161112-9 20161112-10
細矢「結晶の形」では、折り紙で結晶の形を学ぶのですが、数字が好きな細矢会員のことですから1936の平方根は?(答えは44×44ですが)から始まって、4、6、8、12、20正多面体とその組み合わせによる多面体(例えば立方八面体)へと発展し、結晶構造に迫るというものです。20161112-11 20161112-12 20161112-13

町田「体の中のつくりを見る」では、プレパラートを顕微鏡で観察して、細胞・組織・器官の成り立ちを理解し、そのはたらきを学ぼうというものです。
20161112-14 20161112-15
和田「ゾウリムシを調べる」では、元気に泳ぐゾウリムシを顕微鏡で観察し、どんな風に、何を使って泳ぐのかを理解し、単細胞生物のゾウリムシでも動くし、食べるのだということを学びます。20161112-16 20161112-17 20161112-18
間に休み時間を置きましたが2コマ続きの授業で、最後にアンケートを書いてもらい、後片付けをして実験授業を終えました。

控室の戻って、PTAの方々からお茶とお菓子の接待を受けて、ほっと一息という場面です。
20161112-19
写真はすべて、八王子市中学校PTA連合会副会長久保 淳氏の撮影したものをお借りしました。

板橋区立板橋第二中学校での活動

町田武生会員が、11月9日午後に、板橋第二中学校で開催された板橋区立中学校教育研究会主催の第3回理科教育研究授業と協議会に参加し、理科の実験授業を参観し、その後の協議会で指導・助言を行いました。参加した教員は岡村克也理科部会長をはじめとした65名で、今回は特に多くの理科教員が参加しているとのことでした。

この日の授業は、2年の生徒36名に対する「動物の生活と生物の変遷」の中の「動物の体のつくりと働きー刺激と反応」で、トリの手羽先を使って理解させるというもので、骨の動きと筋肉の関係を、手羽先を解剖しながら確認していきます。次の動画にあるようなものです(静岡県総合教育センターのページより)。
20161109-1

上の図をクリックすると、解剖の手順のスライドをみることができます。また、同じ教育センター作成のPDFファイルはここにあります。

実験授業は、よく練られた指導案に基づいて行われ、生徒に対しても適切に指導がなされていました。ただ、受ける側の生徒に集中力を欠ける態度が見られたり、観察記録の内容が不十分だったりする点が見受けられ、改善の必要があることを指摘しました。

また、解剖に刃物を用いる際の危険防止のための注意と、清潔に行うために配慮すべき点を、事前に述べるべきであると指摘しました。

その後、最近の生徒の理科研究には論理性の破綻や、根拠のない推論が多くみられることを例に挙げ、筋道を立てた論理的な理科の授業のための改善の方法などを講演しました。ふだんの授業のなかで、理にかなった「ものの考え方」をして行動することの重要性を認識してもらえたのではないかと思います。

狛江市和泉小学校での活動

山崎謙介会員が、10月27日に狛江市立和泉小学校の6年生3クラスおよそ100名の児童に対して、「地震の起こり方ー地震発生のモデルと地震の規模を測る物差しー」というテーマで授業を行いました(以下の記述は当日のお話に、補足的な解説を加えています)。
20161027-110月21日に鳥取地震が起こっています。4月には熊本地震があり、5年前には東北地方太平洋沖地震がありました。鳥取地震は解析が間に合わなかったけれど、熊本地震と東北地方太平洋沖地震を例に、地震について考えてみましょう。

熊本地震の新聞記事です。この時は大きな地震が1日の間をおいて2回、発生しました。本震だとか余震だとか前震だとかの言葉が使われ、最初は混乱しました。ともあれ、地震が発生した時には必ず、震度、マグニチュード、震源の位置と深さが発表されます。
20161027-2

それでは新聞記事にある、震度って何でしょう、マグニチュードって何でしょう。6年生になると新聞を見ることがあると思いますが、記事を読んで「?」と思ったら調べてみましょうね。今日は震度とかマグニチュードとは何か、から始まって、「そもそも地震ってどんなことで、どうして起こるの?」とか、「地下では何が起こっているの?」ということを考えてみましょう。
20161027-3

新聞にはすぐに気象庁から各地の震度が発表されます。昔は人が感じた揺れの大きさや周囲の状況から震度を決めていましたが、現在では(平成8年4月以降)各地に置かれた計測震度計によって自動的に観測しています(実際はそこから計測震度を算出して表示できる地震計が使われています)。熊本地震の時の九州各地の震度はこんな風でした。
20161027-4みんなに配った気象庁発行の「震度とゆれの状況」のポスターを見てください。現在では震度5と6に弱と強があるので、震度は0から7まで10階級に分けられています。このポスターを家のどこかに貼っておいて、地震が来たら震度を推定してみるといいですね。

科学ではいろいろなことを計測(観察して数値化)することが重要な第一歩になります。地震の場合は、計測する項目の一つが震度なのです。

それではどうやって震度を計測するのでしょうか。震度は地面の動きです。これには変位(どの程度動いたか)、速度(どのぐらいの速さでか)、それと加速度(速度の変化はどのくらいか)がありますが、人が敏感に感じるのは加速度です。たとえば、電車に乗った場合、駅から発車するときと駅に停車するときは、体がスピードの変化を感じることができますが、駅の間で一定の速度になるとあまり動いているとは感じられなります。つまり人は加速度を敏感に感じているのです。

この加速度を測るのが計測震度計で、原理は振子運動にあります。これは振り子ですね。こうやって錘を動かしてやると左右に振れます。一方、錘を一番下の位置で止めて、持つ手を素早く動かすと錘は振れません。錘は停止した状態で周囲が動くことになります。したがって、この周囲の動きを記録してやればよいのです。
20161027-5次の図は、この地震計の原理を図にしたものです。
fig9_1図はここから引用。原理についてもう少し詳しく書かれている。

加速度の単位はガルで、速度が1秒間で1cm速くなるのを1ガルとしています。このガルはガリレオ・ガリレイから来ています。現在の計測震度計では記録は紙に描くのでなく、コイルを使って電流に変えて記録しています。また上の図のような一方向ではなく、東西方向、南北方向それと上下方向の三成分を記録しています。
20161027-6上の図は、熊本地震の本震(4月16日)の時の、上から南北、東西、上下方向の加速度の記録です(地中と地表が3本ずつ)。

こうして求めた三方向の波形から計算によって計測震度を求め、震度階級に置き換えています(詳しくはここをご覧ください)。

計測震度は、その場所での観測値なので、震源からの距離(あるいはその場所の地盤などの状況)によって異なってきます。次の2枚の図は、東北地方太平洋沖地震の時の東京(上、震度5)と宮城県(下、震度7)での三方向の加速度の記録です(縦軸のスケールは異なり、下の方が13倍ほどは大きい)。
20161027-720161027-8上の図でわかるように、震源に近い宮城では2つのピークがあるのに対して、東京では1つに融合して長い時間経過をたどっています。これは揺れが伝わってくるために起こることです。東京では震度5の揺れが長く続き、怖かったですねー。みんなはその時幼稚園生だったかな、怖かったでしょう、と当時の記憶と地震の記録を結びつけるようにします。

それでは地震はどうして起こるのでしょうか。昔は地下でナマズが暴れるので起こるなどと考えられていましたが、現在では地中で起こった断層運動によって生まれたエネルギーが、周囲に放出されるためだと考えられています。
20161027-9熊本地震も東北地方太平洋沖地震も最大震度は7ですが、震度の分布をみると後者の方がずっと広がっていて、規模の大きさをうかがわせます。ここで地震の規模を測る物差しとして、マグニチュードが登場します。地震の本態は断層運動ですから、断層面の大きさ(面積)と断層面が滑った大きさがわかれば、地震の震源での規模を測る物差しになります。

しかしながら、断層面の面積などを実測することはできないので、観測された地震波などをもとに計算して求めます。そのためマグニチュードには多くの種類があります。日本で主に使われているのは、気象庁マグニチュードとモーメントマグニチュードです(両者の違いについてはここに詳しく解説されています。ただし一番最後の引用されているWebPageはリンクが切れています)。

詳しいことは省略して大ざっぱに言うと、マグニチュードは対数なので(10∧1.5M)、マグニチュードが1大きくなると、エネルギーはおよそ31.6倍(10∧1.5)大きくなり、2では1000倍(10∧3)大きくなります。ちなみに熊本地震(本震)のマグニチュードは7.3、東北地方太平洋沖地震は9.0でした。これで地震の規模を数値化できることになりました。

気象庁が発表する地震情報には、震源の位置と深さがあります。これはどうやって計測しているのでしょうか。地震による弾性体である地面の揺れには2種類あります。一つは縦波(粗密波)で揺れの進行方向と同じ方向に振動するもの、もう一つは横波で進行方向と直角に振動するもので、前者をP波、後者をS波と呼びます(図はここより)。
jikazanimg2_2P波とS波では速度が違い、P波の方が速く進行します。そのためP波とS波の時間差を測ると距離が求められ、複数の観測地点の結果から震源の位置と深さを求めることができます。

こうして断層運動を起こした面積の大きさと「ずれ」の大きさが、地震の規模を決めていることが分かります。それではどうして断層運動が起こるのでしょうか。そこには地球の構造が大きくかかわっています。
20161027-10震源が比較的浅い地震の起こった場所を、世界地図の上に描いてみると、特徴的なパターンが見えてきます。
20161027-11これまでの研究で、地球の表面は何枚かのプレート(硬い岩盤)がジグソーパズルのようにはめ込まれてできていると考えられています。そうしてこのプレートは、ゆっくりと動いていて海溝で隣り合うプレートの下に沈み込んでいるのです。このような考えをプレートテクトニクスと呼んでいます。上の図の地震の起こった場所は海溝に沿っていることが分かります。

日本付近を拡大してみるとこのようになっていて、複数(4枚)のプレートが入り組んでいる位置に日本が存在していることが分かります。地震の多いのは仕方がないのですね。
20161027-12右上の赤が濃いところが千島海溝の位置、その下の縦に伸びた部分が日本海溝の位置です。右側の白い部分が太平洋プレートで、このプレートが日本海溝で沈み込んでいく部分の断面図が次の写真です。
20161027-13こうした動きによって断層運動が発生して、地震が起こるのです。地震の起こるメカニズムは気象庁のページに詳しく書かれています。

プレートは硬い岩盤の板だと書きましたが、この岩盤にはたくさんの割れ目があって、普段はしっかりとかみ合っています。この割れ目がプレートの動きによって押されてずれるのが断層運動です。このような「固着ーすべりー復元」は繰り返し起こります。これが活断層です。日本付近には、このような活断層が多数存在します。まだ見つかっていないものもあるようです。
20161027-14
それでは地震予知はできるのでしょうか。繰り返し起こるのだから、周期がわかれば予知できそうですが、高い確率で予知するのは、なかなか難しいというのが実情です。

今日の話はちょっと難しかったかな。
20161027-15震度やマグニチュードの話をしましたが、科学にとって大事なことは観察・測定をすることです。地震の研究では、これらをいかに精度よく記録するか、科学者は知恵を絞ってきました。今でも改良が続けられています。地震を感じたら、震度やマグニチュードなど、今日のお話を思い出してください。

狛江市第四中学校での活動(2)

古川義純会員が、10月25日午前中に狛江市第四中学校の2年生3クラス90名に対して、「雪と氷の科学-氷の結晶ができる様子を観察してみようー」というタイトルで、実験授業を行いました。

古川会員の準備は周到で、札幌から冷凍庫と、その中に石鹸膜を作る針金製の輪、氷の分子模型、その他の小物などを入れて送ってあり、理科室にはその冷凍庫の電源が入って鎮座していました。
20161025-120161025-220161025-3

準備が整ったところで時間になり、生徒が理科室に入ってきます。授業の始まりです。

自己紹介ののちに、まずは雪はどんな形をしているかしらという質問。これは大体、みんな六角形と答えます。次に下の写真にあるように細い筆の先につけた雪の拡大写真を見せて大きさを質問。どのくらいの大きさかな?20161025-420161025-5
生徒たちから、いろいろな大きさの声が飛びますが、みんなの答は0.1mmとか、小さめが多いようです。この写真の雪の大きさは3mmです。細い筆で雪の結晶を集めて黒い布(毛足のあるビロードがいいそうです)の上に置いた写真が次のもの。大きさや形はいろいろあるんですね。同じ形の物は決してないと言われているんだそうです(最近、この定説が覆されたとか)。
20161025-6

雪の結晶は顕微鏡で拡大して観察します。
20161025-7典型的な樹枝状結晶と角板状結晶。
20161025-820161025-9この他にも扇型結晶、広幅結晶、星状結晶、樹枝付角板など、さまざまな名前が付けられています。また典型的な六角形の平面構造ではなく、角柱、針状、御幣などもあります。形の違いは結晶ができるときの水蒸気の濃度や温度などの条件によって決まります。中谷宇吉郎博士が「雪は天から送られた手紙」といった意味が分かりますね。

それでは雪の結晶はどのようにできるのでしょうか。もう物質の状態変化を学習していますね。水の三態は?、質問して答えてもらいます。そうですね、氷(固体)、水(液体)、水蒸気(気体)です。
20161025-10雪の結晶は、水蒸気が氷になることによって生じます(凝華、これまでは昇華と言われてきた)。結晶が成長していくわけです。水分子は学習しましたよね、どんな構造ですか?(生徒に答えてもらって)そうですね。H2O、すなわち酸素原子が一つと水素原子が2つ、こんな角度で結合したものが水分子です。
20161025-1120161025-12これが氷の結晶の分子模型です。こっちの方向から見ると、六角形をしています。そのために雪の結晶は五角形でも八角形でもなく、六角形になるのです。

気体の水蒸気が直接、固体の氷になる場合と、水が氷になる場合があります。水から氷になる場合でも、条件を整えれば結晶が作られていく過程を見ることができます。
20161025-14

水蒸気から氷の結晶を作るのは時間がかかります。そこで工夫して、石鹸水に砂糖を混ぜ、針金製の輪に石鹸水の膜を作り、これを冷凍庫の中に入れてマイナス10度から20度に冷やすと、氷の結晶が成長していくのが見られます。砂糖は結晶の成長を抑えるために使っています。
20161025-15

冷凍庫を用意してあるので、みんなでやってみましょう。以後、班ごとに各自、石鹸膜を作って冷凍庫の庫内に入れて、氷の結晶の成長を観察しました。きれいに六角形に成長すると、みんな感嘆の声を上げていました。
20161025-1620161025-1720161025-1820161025-1920161025-20どんな結晶ができるか、温度(冷凍庫内の位置)によって結晶のできる数やスピードが変わるか、ということにも注目してねと事前に言っておいたのだけれど、そこまでの観察できた人はあまりいませんでした。時間がなかったので仕方がありません。

この後、国際宇宙ステーション(ISS)の希望(日本の実験室)で宇宙で初めて氷の結晶を作った話をしました。やはり六角形なんです。
20161025-2120161025-22

上空の雲の中で雨や雪ができることを、これから気象の単元のなかで学習するので、今日のことを思い出してくださいね。
20161025-23
それでは、これで終わります。「ありがとうございましたー」。楽しい授業でした。

古川会員は北海道大学低温科学研究所の名誉教授で、相転移ダイナミクス分野に所属し、雪の結晶の成長や氷の結晶表面のことを研究されてきました。雪や氷の結晶成長の基礎についての詳しい説明は、同研究所の下記のページをご覧ください。

http://www.lowtem.hokudai.ac.jp/ptdice/basis.html

八王子市立由井中学校での活動

有山正孝、廣田穣、町田武生、和田勝会員が、22日午前9時半から2時半まで八王子市立由井中学校で、第8回八王子市中学校科学コンクールの最終審査会に出席して、作品の評価、審査に協力しました。

八王子市立中学校PTA連合会(会長後藤真弓氏)は理科教育振興に熱心で、毎年、夏休みの理科研究の報告を募集し、SSISSもこの4年ほどPTA連合会が主催する最終審査会のお手伝いをしています。今年は各中学校での一次審査で選ばれて応募された作品は156件で、これを二次審査で37件に絞り込まれていました。それぞれの作品は、4つのブロックごとにテーブルに並べられています。
20161022-1

審査員はSSISSの4名に加えて、八王子市立由井中学校校長、同ひよどり山中学校理科教諭、同教育委員会生涯スポーツ部こども科学館専門幹兼主査、後援をしているオリンパス株式会社技術開発統括本部RD運営統括部6グループリーダー、それとPTA連合会会長(いずれも氏名省略)の9名でした。始まる前に、各テーブルの作品をざっと下見です。

20161022-2

お昼をはさんで4時間、審査員はすべての作品に目を通し、必要に応じてコメント用紙に記入します。また各審査員は5枚の付箋紙を持ち、良いと思う作品に投票していきます。みんな熱心に読んでいますね。
20161022-320161022-420161022-5いずれも力作ですが、選ばなければいけません。研究の目的が明確で、着眼点や発想がユニークであること、研究の進め方が論理的で仮説と検証のプロセスを踏んでいるもの、インターネットに載っているものを単になぞったものではなく、オリジナリティーがあるもの、を評価するようにということですが、難しい作業です。

全員が目を通した時点で、付箋紙の獲得の多かった作品が集められ、全員で一つ一つを検討し、最優秀賞、優秀賞、奨励賞を選んでいきます。
20161022-6最優秀賞1点と優秀賞1点はわりとすんなり決まり、残りの中から奨励賞を3件選んで、審査会は終わりました。

受賞者に対する表彰式と各受賞者によるプレゼンテーションは11月26日(土)に八王子学園都市センターホールで開催され、最終選考まで進んだ37点の研究のポスター展示が同時に行われます。