報告が遅れましたが、5月21日(土)に池袋立教中学校・高等学校で平成28年度の定例総会が開催され、無事終了しました。
有山正孝庶務担当理事の開会の宣言の後、出席者と委任状等提出者数から総会は成立しているという宣言があり、続いて大井みさほ理事長から挨拶がありました。
議長の選出が行われ、大井みさほ理事長が議長を務めることになり、以降は議長が議事進行をつかさどり、議事は淡々と進められました。議事録署名人の選出が諮られ、奥田治之会員と霜田光一会員が選出されました。
続いて第1号議案として、平成27年度事業報告ならびに収支決算報告に移り、庶務担当理事から前年度のSSISSの行った事業とそれに伴う収支決算案が、資料に基づき説明されました。平成27年度は10回の理事会と4回の運営委員会が開催されたことと、SSISS本来の支援事業についての説明がありました。昨年度も最近の傾向と同じく、学校への支援授業よりも課外活動への支援が多かったということでした。
奥田浩之監事から監査報告があり、会場の意見を徴したのちに、平成27年度の事業報告と決算案は可決承認されました。
続いて第2号議題に移り、平成28年度の事業計画と収支予算案について庶務担当理事から資料に基づき提案がなされました。今年度から賛助会員数の減少から収入が減ったこと、前年度に完了しなかった10周年記念活動案内のパンフレットの印刷費を、今年度の支出に繰り越したこと、などのために支出を見直したことなどの説明がありました。その後、会場の意見を徴したのちに採決され、平成28年度の活動計画書と予算案は可決承認されました。
その後、自由な意見交換が行われ、石川和枝会委員からオランダで物理実験をデザインした切手が昨年に5枚セットで発売されたが、このような働きかけをして理科の振興を図るのも一案ではないかという意見が述べられました。
その後、若干の意見の交換を行って、2時37分に総会は閉幕しました。
総会議事要旨をここに載せておきます。
5月13日(金)に、有山正孝、大井みさほ、野津憲治、和田勝会員が、東京理科大の、とある部屋で、5月21日(土)に開催される総会案内の発送作業を行いました。
まず返信用封筒へ切手を貼り、総会招集の通知に理事長印を捺印します。
送付する資料は、捺印した総会招集通知のセット(平成27年度事業報告と決算、平成28年度事業計画と予算の書類)、出席票(兼議決権行使・委任状)、総会後に行われる霜田光一会員による「演示実験とお話の会」と懇親会の案内、返信用封筒を並べて、袋詰めです。
今回は、刷り上がったばかりの活動案内(10周年記念号)と、会費納入のお願い文書・納入のための払込取扱票も同封して、盛りだくさんになりました。
会員の方は、お受け取りになったら同封の返信用封筒で、出席票(兼議決権行使・委任状)を可及的速やかに投函してくださるよう願いいたします。
また総会後に行われます霜田光一会員による演示実験とお話の会の詳細につきましては、ここをご覧ください。
有山正孝、大井みさほ、和田勝会員が、4月11日の午後に狛江市教育委員会を訪ね、教育部指導室の細谷俊太郎さん、柏原聖子さん、坂本尚剛さんと面会し、平成28年度に狛江市が行う理科授業特別プログラムについて話を聞きました。これが今年度の初めての活動になります。
狛江市には中学校が4校、小学校が6校あり、そこで通常の授業では実施が難しい内容の理科の授業で、生徒が「おもしろい!」、「そうなんだ!」と感じ、現代の科学・技術とのつながりがわかるようなものを実現してほしいという要望でした。
狛江市の要望、SSISSの事情などを交え、今後の進め方についていろいろと意見を交換し、対応するよう理事会に諮ることで話を終えました。下の写真は会談を終え、階段下でのぶら下がりの記者会見に臨む代表団です(嘘です)。
4月13日の理事会で、狛江市の事業を引き受けることが了承されました。今後は、各校からどのような要望が来るかに応じて、柔軟に対応する予定です。
廣田穣、町田武生、和田勝会員が、3月12日の午後に市川学園高等学校で行われたスーパーサイエンスハイスクール年度末課題研究発表会に参加しました。(市川学園のページより)
課題発表会は開会式から始まり、続いてパワーポイントによる口頭発表が、物理、化学、生物、数学の分野から各1題ずつありました。各発表の後には、SSH指定高校の先生や父兄、アドバイザーなどから質問が飛び、一生懸命応えていました。
その後のポスターセッションでは、数学10、物理54、化学29、生物25(含む口頭発表)のポスターが掲示されました。ポスターの前では、聞き役の生徒や参加者に対して、研究を行った生徒が説明し、熱心に討議が行われていました。我々SSISの会員も、それぞれの得意分野のポスターの前で説明を聞き、コメントやサジェスチョンを行いました。
この項の筆者は生物が専門なので、生物のカテゴリーのポスターを聞きましたが、力作が多く、データの扱いなども一段と良くなっていると感じました。発表者も聞き手の生徒も2年生ですが、研究を始めたのは2年になってからということで、課題の探索と設定、その後の実際の研究、まとめと発表を、短い時間の中で行うのはかなり大変だったろうと思います。
自分の行った「研究」を「面白い」と感じて、さらに発展させる方策を考え続け、その感覚を持続させて、それぞれの分野で伸びていってほしいと思いました。
ちなみに、この日の午前中には、「SSH高校生が教える理科・算数小学生体験講座」と題して、近隣の小学校児童に対して体験講座が行われています。生徒たちが教えることにより、さらに深く学ぶことができる良い試みだとおもいます。
「SSH高校生が教える理科・算数小学生体験講座」へのリンク
大井みさほ会員が、2月13日の午前に杉並区立高円寺中学校で、2年生の生徒を対象に、理科特別授業を行いました。
「上皿てんびんの実験」と題して、
①上皿てんびんを使って、1円、5円、10円コインの重さを測定を行いました。数値がばらついている5円硬貨の重さの測定精度を上げるためには、どうしたらよいか議論をして、議論の結果をもとに、10枚ずつ量って平均値を求める実験をさらに行いました。そして、真の値とは何かの議論をしました。
②測定の誤差についてのお話をして、系統誤差と偶然誤差の説明をおこないました。系統誤差をなくすことと、偶然誤差はなくせないことの話をしました。さらに、データが多いと、偶然誤差はガウス分布(正規分布)になることを説明しました。
(注)系統誤差と偶然誤差の説明(別ページにリンク)
③食パンの重さの測定の結果とグラフでの表示について説明をしました。
④パンの重さのガウス分布から、科学者が商人の不正を見やぶる話と、水銀原子のランプの水銀のスペクトル線の広がりがドップラー効果によるもので、ガウス分布となる自分の経験の話をしました。
難しい話もかなりあったのですが、生徒はわりによく反応し、楽しんだいたように見受けられました。
清水忠雄会員と大井みさほ会員が、2月4日に板橋区立板橋第二中学校で開催された、板橋区立中学校教職員教育発表会の中の理科部会の研究発表に参加して、コメント、助言を行いました。
清水会員は、今年度(2015年11月9日付の活動報告を参照してください)に中台中学校の星野教諭が行なった研究授業に参加しており、この授業について、その時に十分に伝えられなかった発表について意見を述べました。また、将来、生徒たちを受け入れる立場にある大学側からみた、初等中等教育への要望について、簡単にコメントしました。
大井会員は、板橋五中の佐藤教諭の自由研究の指導にも触れ、児童に興味・関心をもたせる方策について、具体的な事例も踏まえて意見を述べました。そのための本を読むことの大切さについても、意見を述べました。
SSISSは板橋区の理科部会の研究会に、今年度は3回参加しており、そのときのSSISSの活動がSSISSのオフィシャルサイトに掲載されていますが、そこからプリントアウトしたものが、参加者に配られていました(どんな活動だったかは、左カラムの検索欄に「板橋」と入れてリターンキーを押すと表示されます)。
大井みさほ会員が、1月25日午後に私立聖徳学園小学校で「理科特別授業」の一つとして実験授業を行いました。
5,6年生の理科希望者が対照で、テーマは「光とは何か」として、講義、演示実験、児童による実験で構成しました。今回は授業時間を延長することが可能だったので、120分で行いました。1年おきにこの授業を続けていますが、毎回少しずつ工夫して変えてきています。
今回の内容は、
①太陽、電燈、蛍光灯、LED、レーザーなどのいろいろな光源と光の進み方の話と演示実験
②レーザー光を使って、児童が水槽で水中を通る光路および、反射、屈折の観察、レーザー光が水中や透明アクリル棒中を全反射して進むことを示す実験、光ファイバーを使って、モールス信号で数字を送る実験
③回折格子を使って、レーザー光の回折の観察、工作用紙で児童がそれぞれ簡易分光器をつくり、蛍光灯のスペクトルを観察
でした。
2人の理科教員に手伝ってもらい、児童にいろいろな実験を体験してもらうことができました。一部の児童は、すでに授業で回折の勉強もしていて、熱心に実験に取り組んでいました。
宿題として、学習したことや興味を持ったことなどを書いてもらっているので、その内容を見て、今後のやり方に生かしたいと思っています。
木下 宙会員が、12月16日午前10時35分から12時20分まで、羽村市栄小学校で4年生の児童58名を対象に、「最果ての惑星:冥王星」というタイトルで講演を行いました。
冥王星は1930年に発見され、太陽系の第9番目の惑星とされた。昔、「水金地火木土天海冥」と呪文のように唱えて覚えたことを覚えている方も多いと思います。
ところが、1992年以降、外縁天体が初めて発見されて以降、冥王星と似た大きさの外縁天体が次々と発見されました。2003年には冥王星よりも大きな外惑星が発見され、冥王星の第9惑星としての地位が危うくなりました。現在では冥王星は太陽系惑星の地位から外れ、太陽系外縁天体(準惑星)として最初に発見されたものということになっています。覚えた「水金、、」は「海」で終わりになるのですね。
というような話をして、太陽系、さらには宇宙への興味を駆り立てるように努めました。
画像はそれぞれ下記のサイトより引用。http://www.geocities.jp/planetnekonta/planet/pl/pl.html
http://blog.goo.ne.jp/sado-mujina/e/403bf6062885610803ed9c41aca55294
大井みさほ会員、奥田治之会員、和田勝会員が、来年(2016年)1月9日に行う予定のイベントについて、最終打ち合わせを行いました。
SSISSは昨年の1月17日に引き続いて、城山中学校で行う理科実験教室をスムースに開催するために、城山中学校へ出向き、理科の教諭の方2名と八王子市立中学校PTA連合会の七中の会長さんと打ち合わせを行いました。昨年度の計画を下敷きに、電源、水回り、ブースに置く机の配置などを決めました。
今回は8ブースで、天文2、物理2、化学2、生物1、地学1を担当する会員が参加します。きょねんの反省から時間を5分伸ばして50分とし、間の休憩時間をそのぶん縮めました。また各回の各ブースに参加する生徒の数は12名としました。
今回の予定しているテーマは以下の通りです。
日江井会員:太陽活動・黒点、奥田会員:日時計、有山会員:さおばかり、大井会員:光の進み方、廣田会員:酸性・アルカリ性、細矢会員:折り紙で結晶模型、和田会員:ミクロの世界、野津会員:自然災害に備える
下見のために理科室へ行く廊下の掲示板に、先日行われた八王子市立中学校PTA連合会科学コンクールで奨励賞を受けた1年生の発表ポスターが掲示されていました。「身近に見られるクモの種類とその生態について」というタイトルで、とても丁寧な観察記録です。
(城山中学校HPよりお借りしました)
当日、寒くないといいのですが。何しろ体育館で行うので。
小学校・中学校・高等学校の理科教育を支援する科学者の集まりです