「活動記録」カテゴリーアーカイブ

東村山第三中学校での活動

奥田治之会員が、7月11日の午後に、東村山第三中学校の科学クラブの部員30名に、部活動の一つとして、日時計の原理と制作の出前授業を行いました。

はじめに、日時計の歴史をたどり、日時計の原理を説明し、様々な形の日時計を紹介しました。意外なことに、日時計についてあまり知らなかったようです。日時計についての奥田会員のお話は、過去に行った下記のページに詳しく載っています。

日時計の原理を理解したうえで、紙細工の日時計の制作を全員で行いました。あいにく、当日は天気が悪く、屋外で実験をすることができなかったので、人工の光源で作動を確認することにしました。その後、日時計の示す時刻はいつも正確ではなく、経度による標準時からのずれ、また、地球の公転が楕円運動であること、また、自転軸が傾いていることによって一日の長さが変わる理由を説明し、それによる補正(均時差)を加えなければならいないことを説明しました。

さらに、自作の日時計のモデル、球形レンズを使った日時計、CDディスクの円形グレイティングを利用した日時計など、ちょっと変わった日時計を展示したりしました。最後に、時間に余裕があったので、天文、宇宙に関する生徒からの質問などに応じて話をしました。

千葉県立船橋高等学校での活動

船橋高等学校のSSH課題研究の実施にあたり、メンター指導をしてほしいとの要請を受けました。対面で3回、オンラインで適宜(3回程度)の指導をということでした。メンター指導は、成果を上げることを主な目的とするものではなく、生徒の成長を支援する指導であり、高いレベルの研究を目指してはいるが、そこに無理にもっていこうとするものではない、とのことでした。町田武生、和田勝会員が、要請を受けることにしました。

事前(6月20日)にオンラインで教員とコーディネータの方と打ち合わせを行い、7月9日に対面で指導することが決まりました。

生物分野の研究計画は5件あり、それぞれの研究計画書が事前に送られてきて、当日は2人が手分けをして対面で計画の内容を聞き、研究の進め方、問題点の指摘、実験を行う際の注意点、などについて指導、助言をおこないました。件数が少ないので、テーマを記しておくと、「鳥の部位による羽根の撥水性の違い」「砂漠における高吸水性樹脂の利用と大豆の育ちの関係」「陸上高等植物由来のアレロケミカルを用いたアオコ原因藻類の防除」「室内アクアリウムに生息する淡水珪藻の同定と珪藻種ごとの脂質含有率の比較」「ショウジョウバエの番の一貫性」でした。

次回の対面は9月に行い、その間に実験を進め方などで必要があれば、メールのやり取りあるいはオンラインで指導助言を行うことになりました。

都立日比谷高等学校での活動

7月9日午後に、小林憲正会員が、東京都立日比谷高等学校のSSH事業の一環として、本年度1年生全員320名に対しておこなう、SSH特別講演会(理数探究基礎特別講演会)の講師を務めました。

日比谷高校校では、1年生は全員生物基礎、地学基礎を履修するため、これまでは生物・地学系の講演が多く、化学に関連した話題が求められたため、「化学で探る生命の起源と地球外生命」というタイトルで講演を行いました。約2時間の講演を前半と後半に分け、前半は「生命の起源や太陽系についてわかったこと」、後半では「生命の起源や地球外生命について,わかっていないこと」としました。

日比谷高等学校では、文系・理系の区別をつけておらず、全員がSSHプログラムに入っています。そのこともふまえ、今回の講演テーマが理科のさまざまな分野にまたがり、さらに文系の側からの寄与もあることを述べました。

講演中にも質問を受け付け、若干数の質問がありました。さらに講演終了後、別室で質問を受ける会を開いたところ、多数の参加者が集まり、1時間半くらい、質疑応答などを行いました。

市川学園市川高等学校での活動

市川学園市川高等学校は、今年度から4期目のSSH指定を受け、2年生のうち理系生徒が課題研究を行うことになりました。その課題研究を実施するにあたり、テーマ設定に向けて先行研究の調査を行い、それをもとに研究構想を練り上げて発表する、ポスター発表会が6月14日、17日、18日、19日と4日間にわたり、学園のコミュにティープラザで行われました。SSISSメンバーは、会議と重なった18日を除いて、14日には、伊藤眞人、小林憲正、進藤哲央、町田武生、和田勝、17日には町田武生、和田勝、19日には伊藤眞人、町田武生、和田勝各会員が参加して、質疑及びコメントにあたりました。

発表会は、2年生のうち理系生徒259名による総計220件の研究計画のポスター発表で、各日とも、13:10から15:00までの間、3グループに分かれて、各グループ15分ずつ、5分の休憩をはさんで2回行われました。15分ずつの定められた時間内での発表のため、各日とも私ども5名ないし2名、3名が全てを視聴することはとてもできませんでした。それでもそれぞれができる限りの質疑、アドバイスを行いました。先行研究を調べ、それを発展させて、何をどのように解析するのかを発表しているのですが、発表の内容はきわめて多岐にわたり、具体化には程遠いものがあったり、実験計画としてムリなものもあったりで、可能な限りのコメントやアドバイスを行ったつもりです。生徒たちは、アドバイス等をメモしたりして、熱心なやりとりが行われたと思います。研究分野には化学、生物以外に物理、地学、数学がありますが、今回の220件中101件が物理であり、私どもでは手薄でした。

生徒たちは、今後、毎週1日午後の時間の全てをあてて実験を進め、11月に概ねの研究成果がまとめられ、その後、学年末までに完成させる手筈であると聞いています。私どもの指導、助言の効果が発揮されることを期待したいと思います。

なお、6月14日15時から16時には、見学に来ていた他校教員等との情報交換会が行われ、私ども5名もこれに参加しました。詳細な資料が配れれ、市川学園のSSH担当責任者から、2009年以来の課題研究の実施の概要が説明され、その評価や成果が示されました。1、2期目の反省から、3期目からは研究期間を延長して、1年生の冬休みにテーマを考えさせ、3学期に面談してテーマを決めていき、2年生の初めからテーマに関して先行研究の調査を行い、実験計画を立てて、今回の発表に至るようにしたようです。これに並行して、実験ノートの重要性とその取り方、文献検索の方法、ポスターの作成など、市川サイエンスとして講義を行っています。
他のSSH事業校教員の参加がなかったのが残念に思われました。

市川学園市川高等学校での活動

2024年3月14日に、町田武生会員が市川学園市川高等学校で開催された、SSH年度末生徒研究発表会に参加し、ポスター発表を視聴し、質疑を行いました(図と写真はすべて市川学園市川高等学校のSSHのページよりお借りしています)。

市川高等学校では、1年の12月に理系・文系の選択が決まると、理系を選択した生徒全員がテーマの設定を行い、2年生になると文献調査を経て、実験を行います。図にあるように、1年間にわたって「市川サイエンス」という授業で構想段階の発表会、実際の実験、中間発表会を経て、3月に最終のポスター発表会を行っています。

今年度は、2年生の理系選択生徒は230名で、発表件数は、数学10件、物理51件、化学48件、生物52件、地学10件の計171件でした。広い体育館にポスターが展示され、全体を3群に分け、発表のコアタイムの時間帯を決めて実施されました。

発表会に参加したのは、高2の生徒に加えて、この4月から課題研究に取り組む高1や、来校された研究者の方々の他、理数以外の全教科の教員も参加しました。

時間が短かすぎて、生物だけでも全てを視聴できませんでしたが、どの研究もかなりレベルが高く、1年間じっくりと取り組んできた成果が窺えました。おそらく、現象の中から課題を見出し、論理的に思考して研究を進めることを強く意識するように、指導が徹底しているのだと思われます。

これらの中から24件が県の課題研究発表会に出されました。この学校は研究指導能力の高い理科教員が30名以上いて、多岐にわたる生徒の研究課題に適切に対応していて、内外のさまざまなコンクールやコンテストに応募して次々に受賞するなど、SSHの理科課題研究の成功例と言えるでしょう。研究倫理や生命倫理などに背かない配慮が十二分になされていることも特筆されます。

今回はSSH第3期の最後の発表会でしたが、次期SSHも採択され、4月より新たな取り組みが実施されます。研究の終了後の発表よりは、中途での質疑応答の方が研究の進行には有益なので、SSISSとしては今後は中間発表会を見せていただきたいと強く思いました。

千葉県高校課題研究発表会

3月16日に、町田武生会員と和田勝会員が、千葉工業大学津田沼キャンパスでで行われた課題研究発表会に参加して、助言活動を行いました。

これは、SSHコンソーシアム千葉とサイエンススクールネット千葉主催による千葉県SSH指定校と理数科を設置している高等学校12校の生徒による課題研究発表会で、指導・助言者として上記2名が参加しました。我々以外に、県内外の大学などから21名の指導助言者が参加していました。受付で分厚い「千葉県高等学校課題研究発表会発表要旨集」と実施要項、それとコメントを書き込む用紙を挟んだバインダーが渡されました。指導助言者控室で打ち合わせがあり、各会場に分かれました。

午前中は口頭発で、物理10、化学12,生物13,地学7,数学・情報8件の発表があり、指定された生物会場2での割り振られた生物4課題の発表に対して指導・助言を行いました。下の写真は口頭発表会場の始まる前の風景です。

午後はポスター発表があり、物理52,化学53、生物65、地学18、数学・情報29、合計217件の発表がありました。生物65課題は前半と後半に分かれてポスター前での説明があり、我々は生物の2会場を回って、説明係の説明を聞き、コメントをしました。

課題のすべてを発表者の説明を聞き、ディスカッションすることはできなかったっが、やり取りをしたものはコメントシートに記入して提出しました。いずれの発表も熱心に取り組んでいる様子がうかがえました。ただ、実験計画が十分に考えてたてられていなかったり、ポスターに載せられたグラフの表示方法など、改善が必要だと思われるものもありました。

東村山第三中学校での活動(6)

2024年3月6日に、進藤哲央会員が東村山市立第三中学校で「原子の世界と放射線」というタイトルで、3年生全員を対象に、4クラスに分けて理科の出前授業を行いました。受講した生徒は40名のクラスで4回なので、トータル160名でした。一時的見学を含めて、先生も3-4名参加しています。

今回は「原子の世界と放射線」というタイトルで、ミクロな世界についてのお話や、不安定な原子核の崩壊とその時にでてくる放射線についての授業で、持参したGM計数管や霧箱を用いて放射線の様子を観察してみるという50分間の授業でした。

授業の初めに、1977年にイームズ事務所が作成した「Powers of Ten」の動画を視聴し、自然界の様々なスケールで現れる物理的様相を概観しました。この動画は、視点が10ずつ拡大して芝生に座った人から宇宙まで飛行したのち、再び元に戻って今度はヒトの体内に入っていき、原子核までたどり着くという動画です。授業では、ミクロな世界にフォーカスして、原子・分子・原子核あたりの話を中心に講義しました。

特に、原子核を構成する中性子の数が異なる、同位体と呼ばれる原子が存在することを説明しました。下の図は、「Powers of Ten」で表示されている、たぶん炭素原子の核の構造です。

不安定な原子核は、一定の寿命・半減期で崩壊して、その際にアルファ線やベータ線、ガンマ線などを放出すること、これらの放射線の正体は高エネルギーで飛び出してくるヘリウム原子核、電子、光などであることなどを解説しました(下の図は、ここからお借りしています)。

実験として、GM計数管を用いると、教室内で1分間に約20カウント程度が測定できることを実演してみせ、前撮りしておいた放射線源を用いたGM計数管を用いた測定の様子を動画で見せて、放射線の種類による物質の透過力の違いを実感してもらいました。

筆者は、RI室に入るときにこんなGM計数管を使っていましたが、今はこんな小さなガイガーカウンターがあるんですね。

最後に、持参した霧箱を用いて、天然鉱物から出てくる放射線の痕跡を実際に見てもらいました。霧箱で放射線の痕跡が見えるの原理は次の図の通りです(下の図は原子力科学館のページからお借りしました)。

この動画は東京都健康安全研究センターが作成したもので、そこからお借りしています。

千葉県佐倉高校での活動(3)

2024年2月10日に、奥田治之会員が千葉県立佐倉高校で「赤外線による宇宙の研究」というタイトルで出前授業を行いました。受講した生徒は1、2年生の14名でした。先生も3名参加しています。

赤外線は、可視光線の赤よりも波長が長い、1から400μm程度の範囲にある電磁波のことで、ハーシェルによってプリズムを通した太陽光のスペクトルの中で、赤よりもさらに外側で温度計による測定で最も温度が上がることから発見されました。赤外線には可視光線に近い波長の近赤外線(0.7-2.5μm)、ずっと長い遠赤外線(4-1000μm)、その中間の中間赤外線に分けることがでます。赤外線は、宇宙にある低温度の星や星間物質、ダストなどの、可視光線では見えない天体を観測するのに適しています。

この赤外線を検出する技術の進歩に伴って、20世紀中期より天体、宇宙の観測を赤外線を使って行うことが始まり、新天体、新現象の発見が相次いでいます。赤外線観測にとって障害となるのは地球大気であるために、大型の気球を使ったり、観測機器を衛星として打ち上げたりします。赤外線観測の歴史については、ここをご覧ください。

赤外線の特徴を生かした研究として、以下のものを挙げることができます。

1)塵まみれの宇宙:低温度の熱放射の観測により、宇宙塵の分布、組成が明らかになり(上の2枚の写真はオリオン座を可視光と遠赤外線で観測したもの)、また、それから生まれる星の誕生過程が明らかになりました(下の3枚の写真はオリオン星雲中に見つかった生まれたての星)。

NHK for School先生向けにある「星のゆりかご オリオン大星雲」の動画へのリンクです。

このように、宇宙のあらゆるところに温度の低い個体微粒子(宇宙塵、ダスト)が存在することが明らかになりました。

2)塵雲を透かして見る宇宙:可視光に比べて格段に透過力が上がり、暗黒星雲の内部、銀河中心などの構造、ブラックホールの存在が明らかになりました。

次の写真は、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した「わし星雲」の「創造の柱」の画像で、左は可視光で撮影したもの、右は近赤外光で撮影したもので、右では、ガスと塵を透過し、星雲の後ろや柱状の構造中に隠れている星が現れているのがわかります (C) NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)。このページよりお借りしています。

次の写真は、銀河系の近赤外線像です。

現在の銀河系像は、直径10万光年のガスと約2000億個の星の大渦巻で、太陽系付近でおよそ2億年で1回転すると考えられています。Sunとあるのが太陽の位置で、中心から2.5万光年離れた位置にあります。

3)新しいプローブで見る宇宙:赤外線特有のスペクトル線による、炭素、酸素などの新しいガス成分の検出ができるようになりました。

2006年 2月に 、J AXA 宇宙科学研究所の M-V ロケットで打ち上げられた「あかり」衛星は,日本初の本格的な赤外線天文衛星で、全天を 9μm から 160μm までの 6バンドで観測するとともに、指向観測モー
ドによって多数の天体の詳細観測を行いました。赤外線望遠鏡に必須の装置を冷却する装置(液体ヘリウム、機械式)が使用できなくなったので、2011年に観測を終了しました。

上の図は、「あかり」による大 マ ゼ ラ ン 雲 中 の 超 新 星 残 骸 N 49の 5つの 場 所(P1~P5)での近赤外線スペクトルです(一番下は背景スペクトル)。赤で示しているように、P1~P4の場所に 3.3μmの輝線バンドが検出されていることがわかります。この輝線バンドは、多環式芳香族炭化水素によるものと考えられます。この図はここよりお借りしています。詳しくはこの論文を見てください。

4)遠い宇宙は昔の宇宙:遠方銀河から放たれた光は、大きなドップラー偏移によって赤外域に移動するので、これを観測することにより、宇宙の果て、宇宙の始まりの研究が可能になりました。

 ビッグ・バンによって宇宙が誕生した直後は、超高温、超高密度の小さな宇宙ですが、時間がたち膨張するにしたがって、その温度と密度は小さくなります。その間に重力や電気・磁気の力などの基本的な力が生まれてきます。宇宙が生まれてほぼ1秒後には電子や陽子など私たちにおなじみの素粒子、さらに光が誕生しています。このときの宇宙の大きさは1光年ぐらい、温度は100億度です。さらに、数分後には水素やヘリウムなどの原子核が生まれています。
 そして、宇宙の誕生から約38万年後、宇宙の大きさが1000万光年ほど、温度が約3000度になると、水素やヘリウムの原子核と電子が結びついて、水素やヘリウムの原子ができあがります。このとき、やっと光が物質から離れて自由に飛びまわれるようになるのですが、これを宇宙の晴れ上がりとよんでいます。そしてこのときの光が、3K宇宙背景放射として、現在も観測できるのです。逆にいうとこれより前の宇宙のようすは、直接見ることはできません。また、宇宙の誕生から10億年ほどたつと銀河が作られはじめます。それから、さらに膨張をつづけて現在の宇宙になったというわけです。この項、国立科学博物館のこのページより。

全体のまとめです。
.1800年にウィリアム、ハーシェルによって発見された赤外線は、検出器の感度不足のため、久しく天体観測には利用されなかった。
.20世紀中ごろから始まった高感度検出器の開発によって、新しい時代を迎え、急速な発展を遂げている。
.それによって、他の波長域では、見られなかった、新たな天体や天体現象が矢継ぎ早に発見され、天文学に新しい地平を切り開いている。
.いまや、天文学のあらゆる分野に観測は拡張され、様々な成果を挙げている。特に、星の誕生過程、宇宙の固体物質(ダスト)、銀河中心のブラックホール、原始銀河探索、宇宙背景放射の研究にユニークな成果を挙げている。

東村山第三中学校での活動(5)

2024年2月8日に、小林憲正之会員が東村山市立第三中学校で「地球環境の変遷と生命の誕生」というタイトルで出前授業を行いました。受講した生徒は1、2年生の16名でした。先生も2名参加しています。

科学クラブの1、2年生部員を対象に、60分間、講義と簡単な作業・観察を行ってもらいました。

前半では、46億年の地球の歴史の中で、地球環境は大きく変化してきたこと、その中で生命が誕生したり、大絶滅が起きたりしたことを解説しました。下の図は、ここからお借りしています。

後半では、地球生物が用いているアミノ酸が、非対称の分子であることを分子模型を使って確かめてもらいました。光にも円偏光という非対称のものがあること、コガネムシを左右円偏光板を通して観察すると、異なって見えることを調べてもらい、円偏光のような物理の非対称性と生命起源とが関係している可能性について述べました。

千葉県立佐倉高校での活動(2)

2024年1月30日に、小林憲正政会員が千葉県立佐倉高校で「宇宙の起源を探る」というタイトルで出前授業を行いました。受講した生徒は1年生の37名でした。先生も4名参加しています。

2校時(2×45分)を使って、講義と簡単な作業・観察を行いました。前半では,生命の起源について,どこまでわかっているかについて資料をプロジェクターで投影しながら解説しました。

後半では、地球に現存する生物が用いているアミノ酸が、左手型(L体)に偏っている原因がまだわかっていないことを説明し、分子模型を使って,アミノ酸などの生体分子が非対称であることを確かめてもらいました。

光にも円偏光という非対称のものがあること(下の図はここから借りました),コガネムシを左右円偏光板を通して観察すると,異なって見えることを調べ,円偏光のような物理の非対称性が生命起源と関係している可能性について述べました。